機関誌「地球のこども」

JEEFインドネシア事務所 もうひとつの大切な役割“サポーター”

【実施期間】2015年5月~12月  【実施地】インドネシア ボゴール

こんにちは!インターンの野田です。
インドネシアに来て2カ月が過ぎたころから、事務所の活動の中でもマラサリ村で進めるエコツーリズム推進プロジェクトに興味を持った私は、村に滞在して、その生活を学びながら自分が出来ることを探ろうと試みています。今回はその時間の中で、私が抱いた葛藤とそこからの学びについて綴ってみようと思います。
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村の期待の星 ウスマンとの出会い

7月初旬、インドネシア事務所の活動を一通り知った私は、残りのインターン生活を、マラサリ村のエコツーリズム推進プロジェクトに捧げたいと考えました。それから2カ月は、時間が許す限り村へ行き、彼らの暮らしを知るために村を歩き回っていました。嬉しいことにその過程でウスマンという男性と仲良くなりました。

住民グループの代表を務めるウスマン

住民グループの代表を務めるウスマン

彼は大学卒業後ジャカルタの銀行員として働く、いわゆる「エリート」でしたが、都会の暮らしに疑問を感じ、自分は村のために何かを成し遂げたいと考え、村に戻ったそうです。いまは若くしてこのプロジェクトの住民グループの中心となり、尽力しています。

彼は私に「君が観光客だったらマラサリで何がしたいか教えて」と真剣に尋ねてくれたり、「君はもっとマラサリ村を知らないと」と村を案内してくれました。私は一生懸命な彼に村の未来を感じ、彼のためにも村の役に立ちたいと思いました。また、彼も、私に村の外からの視点を与える人として期待をしてくれていました。ウスマンと話をしていると、私は自分もプロジェクトの一員になれた気がして嬉しくてワクワクしました。

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「してあげる」ことが全てではない

ところが村から帰ってプロジェクトの進行具合を聞くと、それは私の全く知らない動きを見せていました。プロジェクトの一員になれた、と思っていたのに実際は何にも関われていないことが私には残念でなりませんでした。もう一つ、とてももどかしかったのが矢田さん(JEEFインドネシア事務所長)のプロジェクトへの関わり方です。彼らの成り行きをただ見ているだけのような関わり方に、どうしてもっと積極的に関わらないのか、と疑問を持っていました。

そんな疑問を、矢田さんにぶつけると、「今は住民が自ら動いているのだからその自主性を大事にしたい。失敗も重ねながら学んでいってくれればいいって僕は考えているよ」そんな答えが返ってきました。そのとき私は、村への思い入れが強すぎて「村人の自立」という観点を欠いていたことに気付きました。自分には成長のために失敗が必要だといつも考えていたのに、村の人たちには失敗してほしくないと考えている自分がいたのです。

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支援する人、サポーター

矢田さんの言う通り、いまのマラサリ村では、住民が自ら考え様々なことにトライしています。いま、私が出来ることは「リード」することではなく「サポート」することでした。そして私が考えるべきは彼らがどう動くべきか、ではなくて私がどう動くべきかだという点に気付くことが出来ました。私が知らないところで物事が進む、それはむしろ村人自身の活動の成果であり、応援すべきことだったと考え直しました。

これは私にとって重要な学びでした。国際開発の場に限らず誰かを支援したいと願うとき、思い入れが強すぎて、自分の中に彼らの自立を妨げてしまう可能性が潜んでいると学んだからです。もちろんときには「リーダー」になることも必要だと思います。ですが支援をする際には、「サポーター」という役割を忘れてはいけないのだと気づきました。

ウスマンは私と話した後に、よく「ありがとう」と言ってくれます。私が「何もしていないよ、どうして?」と聞き返すと「一緒に、真剣に考えられる人がいると、モチベーションが上がるんだ。だからありがとう」と。このありがとうはきっと、一緒に考えるというサポートへのお礼なのだと受け止めています。残り3か月は、私なりの「サポート」の形を考える時間になりそうです。

文:野田 麻美(JEEFインターン)

2015年11、12月号

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