機関誌「地球のこども」 Child of the earth

JEEF理事のイマコレ!今注目していることは「新しい学び方」です。 2019.02.27

文:川嶋 直(JEEF理事長)

Question今注目していることはなんですか?

Answer
新しい学び方です。

「環境も教育もやりなおしだ」1990年春、当時財団法人キープ協会環境教育事業部長だった私が、その年のパンフレットの表紙に書いた言葉です。

環境の問題 と 教育の問題

環境の問題があるから環境教育を始めて数年。ちょうど、大人のための3泊4日のワークショップ型環境教育プログラムが軌道にのり始めた頃「環境の問題があるから環境教育を始めたけど、教育の問題に対しても環境教育は貢献できるのでは?」と思い始めたのです。

2010年にキープを退職するまでの間、学校の教員対象の環境教育プログラムはいろいろチャレンジしてきました。しかし、文部科学省や教育委員会の後援も受けず、参加費も普通に頂戴する研修への教員の皆さんの参加は相当困難でした。少数の熱心な先生の参加はありましたが、事業としてはことごとく撃沈していたのです。
公教育の先生が変わる?

JEEFで教員免許更新講習を実施

今年の夏に教員免許更新講習(選択18時間)を実施しました。先生方が受講しなければならない全30時間の研修の内、「選択」の18時間をJEEFとして開催。日本環境教育学会会長の諏訪哲郎先生(学習院大学)、JEEF理事の中野民夫さん、そして私の3人が講師となり全国から約70名の教員の皆さんをお迎えしました。

アクティブラーニングに舵を切ろうとしている公教育の先生方が「教える」から「引き出す」にどう変われるのか? その切っ掛けをつかむ3日間でした。18時間の中で純粋な講義は90分だけ。あとは、様々なかたちの「学びの場のつくり方」の実習を行いました。

今回の講習は「環境教育」そのものではなく、環境教育の中で生まれた「学び方」を先生方と共有する機会となり、予想以上の手応えを感じることができました。近い将来には全国の自然学校を会場に「自然体験型環境教育」の講習を開催できればと思っています。

 

川嶋 直(かわしま ただし)

JEEF理事長。1983年頃から八ヶ岳の麓清里にあるキープ協会で環境教育事業を組織内起業した。森の中での環境教育プログラムを試行錯誤する中で、参加体験型の教育手法(ワークショップ)にたどり着いた。2014年6月から現職。

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『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
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