機関誌「地球のこども」 Child of the earth

地域の課題解決あの人に聞きました!Vol.6自然や地域資源を活かした 体験プログラムと宿泊施設で 地域を盛り上げていきたい! 2019.06.04

文・インタビュアー:京極徹(事業部長)

今回のインタビューは
南信州まつかわ観光まちづくりセンター(長野県松川町)
小林 昭広さん

長野県南部の中央アルプスと南アルプスに囲まれた、人口約一万三千人の松川町は、果樹栽培など農業を基幹産業とする自然豊かな町です。

観光まちづくりセンターの職員として、自然体験や自然資源を活かす宿泊施設運営をベースにしたコンテンツで、地域を盛り立てていこうと奮闘する小林さんにお話を伺いました。

少子高齢化と人口減少という課題

地域には経験豊富な農業経営者や若手農業者グループが数多く、さくらんぼ、梨、リンゴなど果物の一大産地として発展し観光農業も通年で展開されてきました。しかし、少子高齢化は例外ではなく、働き盛りの生産年齢人口が減少しているそうです。

「町には『松川青年の家』があり、かつては賑わいを見せていましたが、近年は利用者の減少のため、平成29年に県が運営を休止しました」

課題解決に立ち向かう組織づくり

松川町ではこの状況に対し昨年4月に法人を立ち上げ、観光によるまちづくりを実行しようと動き出しました(※1)。

※1 平成30年4月に松川町版DMO※2として「一般社団法人南信州まつかわ観光まちづくりセンター」を設立し、以下の観光を手段としたまちづくりを推進しています。

  1. 地域資源(人・自然・歴史・文化等)を活用した「滞在交流型の観光」の推進。
  2. 滞在交流型の観光を通じて農業をはじめとした第1〜3次産業全体の活性化。
  3. 松川町の地域ブランド(住んでよし、訪れてよし)を確立し、移住・定住を促進。

「DMO(※2)の設立と共に、かつての松川青年の家を観光客が自然体験できる宿泊施設として、ツリードーム南信州まつかわを企画・運営しています。

昨年期間限定オープンしたツリードーム(写真)は今年4月末の稼働をめざし、私はその担当者として活動しています。また、職員を募集していますので、関心のある方のご応募をお待ちしています。」と意気込みを語ってくれました。

※2 DMO(デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)とは?
観光地域づくりのかじ取り役を担う法人(詳細は観光庁HPを参照)

昨年期間限定オープンしたツリードーム。吊り下げタイプのドームで、地上から約2〜3mの高さから景色を眺めながら寛げる。

ぜひ体験に来てください

「私たちは地域での交流時間や消費を増やす『滞在交流プログラム』や『自然体験プログラム』の新規開発を進めています。地域の文化、歴史(果樹栽培・地域食)やアドベンチャー要素のある居室、天然温泉も楽しめます。

自然の中で過ごす豊かな時間を味わいにツリードームへぜひお越しください。そして、これから何をすべきか、ご意見を頂けると大変嬉しいです。」との小林さんのお話を伺っているうちに、家族連れで賑わう新緑のキャンプ場の光景が目に浮かびました。

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