機関誌「地球のこども」

考えるっておもしろいかも!? パート4:第11回 チャレンジを促す「安心感」

文:鴨川光(ジャパンGEMSセンター研究員)

自分でチャレンジする学びのサイクル

言われたことはやるけれど、自由な探究の時間になると手が止まってしまう子にどう関わるか、という質問は、この1、2年で特に増えてきた質問の一つです。

先日、ある教育イベントにブース出展したときのこと。『カラーアナライザー』という光と色のプログラムをベースに短い活動を用意しました。カラーセロファンを通して見ると物の色が変わることに気づき、その仕組みを使って文字や絵で”秘密のメッセージ“を書いていきます。

短い時間の中ですが、次のような学びのサイクルが回るようになっています。

学びのサイクル

自分でチャレンジしたいと思える安心感

このサイクルの特徴は、「教えてもらう前に、まずは自分でやってみる」ということです。これまでの教科教育だと、先に知識や方法を教えて、そのあと自分でやってみるという形が多かったですよね。でも、この流れに慣れると「先に教えてもらわないと動けない子」になってしまいます。

そうかといって、いきなりやってごらんと放り出しても、子どもたちは不安で固まってしまいます。何をやったらいいかわからない、失敗したくない、恥ずかしい思いをしたくない―これがなかなか活動に取り組めない子に多いパターンです。

そうならないためにキーとなるのは「安心感」。部屋に入ってきたときからの関係づくりを丁寧にすることで、この人の話を聞くとおもしろいことが起きそう。自分が失敗しても笑わない人だろうといった安心感が子どもたちの中に芽生えます。それがあって初めてチャレンジしてみようという気持ちになれるのです。

世の中には正解がない問いがたくさんあります。誰かが答えを持っているという前提の学びから、正解がなくても自分なりに考えて答えを導く学びへ。その実現には、手法だけでなく安心感が大切です。

2019年11、12月号

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