機関誌「地球のこども」 Child of the earth

小さなサスティナブルのカケラ第1回:今月みつけたカケラは「ブランドのパッケージ改革」 2020.02.12

文:垂水恵美子(JEEF)

ワークショップ用のおやつの買い出し中、いつものお菓子を手に取りました。そこで、プラスチックだったキットカットの包装が、紙に替わっていることに気づきました。グローバル企業であるネスレの中でも、日本の”キットカット“は世界一の売り上げ。

それがインバウンドで購入され、プラスチック包装がごみとして外に出てしまうことに危機を感じて改良されたそう。100%の問題解決でなくても、今より少しでも良い方向を目指す。そんな姿勢に好感を持ちました。

包装といえば私が気になってチェックしているのが、今年の『市民のための環境公開講座』でも登壇いただいたコスメブランド「LUSH」です。ここは包装そのものをやめるという思い切った取組み。でもギフト用の包装紙はあります。

日本自然保護協会と協働で開発したイヌワシペーパー(※)や、お洒落な風呂敷(Knot Wrap)をあわせて販売するなど、配慮したものが用意されています。一部容器での販売もありますが、こちらも使用済み容器を5個持っていくと回収してくれるだけでなくフェイスマスクと交換してくれるのです。

※イヌワシペーパー
繁殖成功率が著しく低下し日本国内で絶滅危惧種に指定されている鷲「イヌワシ」をはじめとした多様な動植物が生息している貴重な森「赤谷の森」から計画的に出た木材の一部を活用しています。

消費者の声で企業が動く

このように包装が変わる背景には、プラスチックゴミの問題が大きく取り上げられていることがあります。消費者の声がどんどん大きくなり、さまざまなブランドやお店がプラスチックゴミの減量を目指して取組みを始めています(もちろん以前から取り組まれていた企業もあります)。
以前に弊誌の特集『あなたの買い物が社会を変える』で、一般社団法人エシカル協会の末吉里花さんが次のように書かれていました。

「企業にとって消費者の存在は無視できず、私たち消費者が何を求めるかによって、企業の生産のあり方が左右されるはずです。」(2018年1,2月号より)

冒頭のお菓子も、大袋は紙になったものの、中身の小包装はプラスチックのままでした。こちらは衛生面の関係もあって難しいのでしょう(2021年までには個包装もリサイクルしやすい素材に改良予定とのこと)。私たち消費者の声が届いて、さらなる技術革新が起きることに期待です。

カテゴリー

最新の記事

地球のこどもとは

『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。

JEEFメールマガジン「身近メール」

JEEFに関するお知らせやイベント情報、
JEEF会員などからの環境教育に関する情報を
お届けします。

オフィシャルSNSアカウント

JEEFではFacebook、Twitterでも
情報発信を行っています。
ぜひフォローをお願い致します!