皆さんこんにちには、JEEFインドネシア事務所インターン生の菊川です!
私は、先月インターンを終え日本に戻りました。
この1年間、前半は現地の大学でエコツーリズムを学び、後半はJICA草の根技術協力事業として、JEEFが持続可能な観光開発の支援を進めている国立公園内の村に滞在し、村有観光会社の立ち上げや、ホームステイやガイドのトレーニング、JICAや林業省の視察、モニターツアーなど様々な経験をさせていただきました。
中でも印象的だった2つの活動と、プロジェクトについて考えてきたことをお話します。
1 観光パンフレット・案内板・マップを制作しました!
村有観光会社のメンバーと一緒にパソコンのイラストソフトを使って、画面をにらみながら、あーでもないこうでもないと相談しながら作っていきました。ついに先日、はじめはパソコンで新規ページのつくり方も分からなかった村の女の子が、お土産のパッケージを自分のパソコンで作ったよと見せてくれました!
2 ジャカルタ在住の日本人の方や、現地の大学の留学生を対象に
マラサリ村エコツアーを企画させていただきました!
マラサリ村の中でも伝統的な文化が残っている奥地の集落でエコツアーを実施しました。その集落ではツアー受け入れが初めてだったので、調整が難しかったですが、観光プロジェクトに関わる住民を増やすためにもその集落に通い、何とかツアーを実施することが出来ました。
さて、私がこの1年の実践の中で考えてきたことは、住民主体のプロジェクトの進め方についてです。住民に必要なことは何か聞いてみる、アイデアを募集する、他の地域で成功したやり方を真似してみる、日本の技術を持ち込んでみる…
プロジェクトを成功させるためには、どのように住民の皆さんと関わればいいのでしょうか?
当たり前ですが、何もしなければプロジェクトは動きません。例えば、私たちが観光会社のマネージメントやホームステイ経営、ツアーガイドを育成する機会をたくさん設ければ、プロジェクトはなんだか早く進みそうです。 でも、私たちが主導権を握ってしまうやり方だと、そのときはサクッと成功したとしても、支援団体がいなくなった後、だれが続けていくのでしょうか。住民の方が率先して取り組んだものでなければ、やり方がわからず、続けられません。
数か月前にマラサリ村でホームステイを営むスリアナさんから「JEEFは何もしてくれていない、もっとこういう研修をしてくれ」と提案をされたことがありました。
一見ダメなように見えますが、長期的な成功を考えると、住民から何にもやってくれないと否定されるくらいのゆるいスタイルで、住民から具体的に「こういうことがしたい!」という主体性が出てくることをじっくり待てることはとても重要です。そうして出てきたアイデアや住民の主体性を、しっかりサポートしていくのが役目なんじゃないかと思います。
例えば「今日の夕食のために」と、住民に魚をそのまま渡すのではなく、一緒に釣り竿の使い方を試行錯誤しながら、一匹どうにか釣ってみる。方法が分かれば、きっと来年も食卓に魚が並ぶと思います。もちろん、ただ主体性を待つだけではなく、そういう住民が出てくるための動機づけや、その出てきたアイデアがどこまで本気か言葉どおりに受け取らずきちんと見極める力も必要だと思います。まだ正解はわかりませんが、これが自分の答えだと思っています。
今回大学を休学してインドネシアに留学すると決めた時は不安でしたが、現地で出会った皆さんにチャンスをいただき、ここでしか 得られないたくさんの学びがありました。本当に来てよかったです。
最後になりましたが、JEEFインドネシアの所長の矢田さん、現地スタッフのみなさん、前任インターンの野田さん、マラサリ村のみなさん、ジャカルタ写真部のみなさん、たくさんの方に応援いただき学びの多い1年間を過ごすことが出来ました。皆様へ深く感謝申し上げます。
菊川