先日、「かもさんは何を目指してGEMSをやっているんですか?」という質問をいただきました。連載3年目は、GEMSを通して僕が伝えたいことについて書き始めます。
考えることを嫌いにならないでほしい
僕が伝えたいことはこの一言に尽きます。好きにならなくてもいいから、考えることを億劫がるようにはなってほしくない。考えている内容が高尚かどうか、考えた結果が正しいかどうかも関係ありません。考えるという行為自体に面白さを見出してほしいのです。
フランスの哲学者パスカルは『人間は考える葦である』という言葉を残しました。ワークショップをしていると、本当に幼い子でもたくさんのことを考えていると気付かされます。こちらから考えなさいと言わなくても、子どもたちはあーでもないこーでもないと発想を膨らませていきます。考えるって本当は楽しいことなんだよなと思い出させてくれる瞬間です。
「自分で考えた」というプロセスを認める
子どもたちは、考えたことをお父さんやお母さん、見守ってくれる大人たちに伝えるのが大好きです。「ぼくはこんなにかんがえたんだよ!」って。そして自分が考えたことを認めてもらうと、とても嬉しそうにします。その気持ちは大人になってからもどこかにありますよね。
僕はワークショップ中、「What(何を学ぶか)」でなく「How(どう学ぶか)」を大切にしています。どんな意見であれ、こちらからの問いかけに対して、その人なりに考えた答えには変わりありません。答えの◦×ではなく、その意見に至るまでその人が考えたということにグッジョブ! と言ってあげたい。
知識や情報は時代によってどんどん更新されてきます。将来「使えるかもしれない」こともあれば、30年後には古くなって役に立たない知識もあるでしょう。それよりも、論理的に考える力だったり、人とコミュニケーションする力だったり、すべての子が「絶対に使える」力を育てるのに時間を割きたいのです。
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