こんにちは。インターン生の冨塚です。
いよいよ寒くなってきたので、皆さん体調にお気をつけてくださいね。
こんな寒い季節は電気料金がかさんでしまうのが普通ですが・・・
今回は、電力にもお財布にも優しい体の温め方も学べるかもしれません。
そんな11月21日の市民講座PART3最終回は、
『異常気象と私たちの暮らし』と題し、飯島希さんが登壇くださいました。
飯島さんは、日本気象協会に所属し、
NHKキャスターで気象予報士を務めながら、同時に災害の危険防災士をされていました。
しかし同時に環境にも危機感を覚えた飯島さんは、
情報を人々にわかりやすく伝えることをモットーに環境カウンセラーとしてお仕事をされました。
その後独立し、現在は幼児向け環境教育をはじめとした、エコロジー・エコノミー・自己肯定感のバランス感覚を育むセミナーやイベント活動も行われています。
○異常気象が新たなステージに!
異常気象は、温暖化によりますます顕在化されていることはみなさんもメディアで目にされていることでしょう。
温度上昇が原因で、大雨による土砂災害や洪水、強大化した台風の発生などが日々のニュースで騒がれています。
また、予測できない異常気象に対して、
災害を防ぐ「防災」から、災害や被害が出ることを前提にそのダメージやリスクを小さくする「減災」という言葉にかわりつつあります。
現在の世界の状況に危機感を覚えた飯島さんは、防災の緊急性を必死に訴え、環境の情報をマスメディアに流し続けました。
しかし何年も経って気づいたことは、
『人の心は他人にはめったに変えられない。自分の意識しか変えることができない』
ということだったそうです。
これは私もその通りだと思いました。
環境問題でいうと、情報を発信しても興味のない人は目に入れても記憶に残らないであろうし、
いくら熱い想いをぶつけても、思ったように共感してもらえなかったという経験がありました。
だからこそ環境保護という目的だけでなく、他のかたちでメリットを付与することができれば実践する人が増えると思います。
○私たちが日常でできる取り組み
飯島さんが何度もおっしゃっていたことは、「電力の見える化は大事」ということでした。
実際に自宅の電力を見える化するまで、ご自身では省エネしていたつもりだったけれども、意外に日々の中でもっと減らせる部分がある事に気付かれたそうです。
今まで寒い日には朝から暖房を付けていたそうですが、
ある日からエクササイズで体を温めたら暖房をつける必要が無くなり、
目覚めも良く、続けていたらダイエットになったそうです!
また浮いた電力のお金で好きなものを買うこともでき、一石何鳥にもなったとおっしゃっていました。
また、数字にすると結果がすぐに見えるのでモチベーションアップになり、
家族みんなで楽しく節電できたそうです。
どうやって数値化したかというと、市区町村で貸出している使用量を測定できる機械を使ったそうです。
一つの電気機器または家庭全体の電気使用量を測定し、表示器でリアルタイムに表示できるという優れものです。
(参考:小平市の事例)
すべての自治体が行ってはいませんが、皆さんの地域も是非確認してみてはいかがでしょうか?
○社会とのつながり
数年前に流行った『LOHASブーム』は、
90年代にアメリカで生まれた健康や環境生活に配慮したライフスタイルのことで、
例えばオーガニックな製品を選ぶ「自分」を中心にして
環境問題に日常から取り組むことを指していました。
しかし近年、PART2第1回の講座のテーマでもあった『エシカル消費』をよく耳にするようになりました。
こちらは人体・環境への負荷だけでなく、
紛争や児童労働が関与しないフェアトレードで取り引きされる製品や資源などの消費も含まれます。
つまり自分の中だけでなく、自分と世界とのつながりを見えるようにしないとできないことです。
ということは、ある意味で「自分」から「世界」へ意識が移行している表れでもあるのかもしれません。
現在は国同士でCO2削減目標を定めていますが、国家に任せている限りは達成できないでしょう。
なぜなら、国家を構成しているのは個人だからです。だからこそ、行政に頼るのではなく個人単位で意識と行動を変えることが大事です。
例えば、自分の住んでいる地域の特徴や課題、人口割合を知ったうえで自分は何をするか考えることも大事だとおっしゃっていました。
また、今は情報量がとても多く、ネットで調べればすぐに出てくる時代です。
だからこそ、物事には表裏があるということを意識しニュースを見て、情報をうまく取り入れ活用してください、とおっしゃっていました。
私自身も、NPOや企業などで直接対策を打ち出すこともちろん大事だと思います。
しかしながら、誰にでも今日から簡単に始められることと言えば、これまでの日常生活を見直したり、
世界で起こっていることに目を向けて、自分が出来ることをすることではないでしょうか?
○終わりに
さて、市民のための環境公開講座も今回で終了です。ご参加いただいた方々、本当にありがとうございました。
みなさんも、これまでの市民講座で聞いた事を実際に生活で取り入れてみてください。
そうすれば、今年の講座全体のサブテーマであった「認識から行動へ」を達成できると思います。
また来年度も皆様のご意見を参考にして講座を企画いたしますので、たくさんのご受講をお待ちしております!
▼講座の概要はこちらからご覧いただけます。
www.sjnkef.org/kouza/kouza2017/?p=22