文:瀬尾隆史(事務局長)
【実施日】12月2日(土)
【実施場所】立教大学太刀川記念館
【主催】JEEF、立教大学ESD研究所
【後援】ESD活動支援センター、持続可能な開発のための教育推進会議(ESD-J)
12月2日(土)立教大学太刀川記念館で「環境教育の未来~日本環境教育フォーラム設立25周年を機に~」を開催しました。12人の有識者による中身の濃いお話の後、参加者が「えんたくん」を囲んで活発な意見交換を行い、JEEFに対して厳しくも温かい提言をたくさんくださいました。
パワポなしで自由な発言
主催者を代表してJEEF川嶋理事長の開会の挨拶に続き、12人の登壇者からひとり7分間「環境教育」についての思いを語っていただきました。一般的なシンポジウムではパワーポイントなどを用意し、お話しいただきますが、今回は敢えてパワポなしで自由に話していただくことにしました。ご自分の考えを話されてもよいし、前に話された方を受けたお話でもよいし、まさに自由な展開を期待しての企画でした。
OHCで話を「見える化」
その12人の思いを「見える化」させるために、JEEF理事の中野民夫さんと元ESD−J事務局長の村上千里さんにOHCを使って、お話のポイントをまとめていただきました。みなさんのお話を、筆者の独断でまとめると次のとおりです。
登壇者の発言キーワード(敬称略)
- 定松栄一(シャプラニール) 環境と開発は一緒に考える
- 長沢恵美子(経団連) SDGsはJEEFのチャンス
- 星野智子(環境パートナーシップ会議)ユースのエンパワーメントを
- 長井一浩(グリーンダウンプロジェクト)共感と参加 出番と役割
- 篠健司(パタゴニア日本支社) 環境教育のKPI(業績評価指標)を
- 藤田香(日経BP) 企業の本業で地域の課題解決をやる
- 山藤旅聞(都立武蔵高校) 子どもたちの成長を邪魔していないか
- 辻英之(グリーンウッド) 人材を輩出する村へ
- 二ノ宮リムさち(東海大学) 持続可能性を目指すアクティブラーニングを
- 李妍焱(日中市民社会ネットワーク) それぞれの人の「欲」にどう応えるか
- 諏訪哲郎(日本環境教育学会) 「持続可能な社会」型教育システム(学校教育3.0)
- 森本英香(環境省) 統合的解決法で人間性回復を
多くの方がSDGsに触れていたことが印象に残りました。また、この12人のお話はJEEF会員のみへの限定サービスとしてオンライン中継を行いました。
「えんたくん」で深める思い
休憩をはさんで、シンポジウムの後半は「えんたくんミーティング」。用意された「えんたくん」は20台。80名を超える方々に参加していただきました。ファシリテーターは中野民夫さんです。
第1ラウンドは自己紹介を兼ねて12人のお話の中で印象に残ったことを話し合いました。
第2ラウンドはメンバーを変えて「環境教育の未来に向けてこれ要るでしょ」をテーマに話し合いました。
そして最後の第3ラウンドは元のメンバーに戻って「JEEFに期待すること、いっしょにやりたいこと」をテーマに話し合いました。
シンポジウムの終了にあたり、共催者である立教大学ESD研究所長でJEEF専務理事である阿部治先生よりご挨拶をいただき、盛会のうちにシンポジウムは幕を閉じました。
シンポジウム終了後、引き続き懇親会が開催され、参加者はさらに交流を深めました。
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。