文:岡島 成行(JEEF会長)
これからのJEEFです。
JEEFが設立された当時の共通認識は「自然を舞台にした環境教育」でした。
アメリカの古い民話「ポカホンタス」(最近ではアニメ映画で有名になりました)にある「命はみんなつながっている」といった考え方と似ています。この会報のタイトルも「地球のこども」となっています。
勉強も大事だけれど、それにも増して野山で遊ぶことが好きな人たちが集まっていました。設立当時、現理事長の川嶋さんや当時、環境庁の課長だった瀬田信哉さんらを中心に北野日出男先生、阿部治先生、稲本正さんらが集まっては議論したものです。
大きく変化する世の中
その後、日本にも環境教育という分野が確立し、地球環境問題やESD、さらにはSDGsなど大きく変化を遂げてきています。
環境問題そのものも、公害や自然保護といった地域限定的な課題から地球的規模の多様な環境問題に拡大し、様々な専門分野ができています。
その一方で、世の中がIT一色になり、いずれコンピューターが人間の仕事を奪っていくと言われています。JEEFが設立されてから25年を経過していますが、その間の情報技術の進化は目覚ましいものがあります。
パーソナル・コンピューターというものが目の前に現れ、インターネットができるようになり、携帯電話がだれでも手に入るようになりました。そして今は、昔のコンピューターの何倍何百倍というデータが手のひらの中にあります。
JEEFの時代
今後、その勢いは増すでしょう。しかし、だからこそ、JEEFが目指した自然との一体感や生命、宇宙の不思議、人間の持つ尊厳、感性、独創力というものが必要になるのではないかと思います。
環境教育はますます重要になり、そういった仕事に従事することは人生を賭けるに値することだと思います。みんなで「21世紀はJEEFの時代」にしたいですね。
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。