狩猟免許取得までの道のりを通して「人間と野生生物の共生」を考える!
第1回に引き続き、第2回も環境省 鳥獣保護管理室の遠矢駿一郎さん(狩猟係長)にハンターになるまでの道のりについてお聞きしました。
加藤 狩猟免許にも様々な種類があると聞きました。具体的にはどのような免許があるのでしょうか?
遠矢 第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)、第二種銃猟免許(空気銃)、わな猟免許、網猟免許の4種類に分かれています。それぞれの免許を取得するためには各都道府県が実施する狩猟免許試験に合格する必要があります。
加藤 試験に合格すると、晴れてハンターとして活動できるんですね!?
遠矢 いえいえ。銃猟の場合は、銃刀法に基づく講習会の受講や考査への合格等、猟銃を所持するための手続が必要になります。また、狩猟を行いたい都道府県ごとに「狩猟者登録」を行い、狩猟税を納めなければなりません。
加藤 狩猟税って言葉、初めて聞きました…。ちなみに、ハンターになるためにはどれくらいの費用が必要でしょうか?
遠矢 銃猟を始めるまでには、各種手続きで約11万円が必要となります。さらに、猟銃・空気銃の準備費用等(数万円〜数十万円)や装弾等の消耗品等(装弾1発80円〜)も必要です。これらの費用を踏まえると、初期投資としてあくまでも目安ですが約30万円は必要と言われています。
※1: 狩猟免許申請手数料は、1 種類につき5,200 円(都道府県によって異なる場合あり)
※2:ハンター保険・・・狩猟時に発生した事故等に対する3,000 万円以上の損害賠償が可能な保険。 (狩猟を行うためには、狩猟により生ずる危害の防止又は損害の賠償について、3,000万円以上の賠償能力を証明する必要があります)
※3:上記の金額は、あくまで目安です。
加藤 約30万円とは想像していた以上の金額でした。免許を取得する前に、適性や狩猟を継続できるかなども検討する必要がありそうですね。
遠矢 環境省では、多くの人に狩猟の魅力や社会的役割を知っていただくきっかけを提供するために「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を毎年開催しています。ハンティングの模擬体験やジビエ料理の試食もあるので、免許を取得する前に一度足を運んでみても良いかもしれません。
加藤 遠矢さん、ありがとうございます。ハンターになるまでの道のりが具体的に分かりました。
遠矢 ハンターになるまでの道のりについては、左記のサイトに詳しくまとめられているので、ぜひご覧ください。
狩猟は大変魅力的な活動ですが、一歩間違えれば自分自身や周囲にも危険を及ぼす可能性があります。法令に基づくルールやマナーを守って安全に狩猟を行っていただければと思います。
地球のこどもとは
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