文・インタビュアー:垂水 恵美子(事業部国内事業グループ主任コーディネーター)
今回のインタビューは
(一社)環境政策対話研究所
竹内 彩乃さん
私たちの生活に欠かせないエネルギー。安定した供給を受けられる一方で、天災による大規模停電のリスクや発電による環境負荷などの課題、また経済事情なども絡んで、日本のエネルギー問題はとても複雑です。
再生可能エネルギーの普及に関心が集まるものの、事業者(または行政)と地域住民が対立することも度々起きています。その間をつなぐ活動を進めているのが、一般社団法人環境政策対話研究所・竹内彩乃さんです。
対立ではなく協力のための議論を
竹内さんに、活動のきっかけを伺いました。
「行政と市民団体が社会課題を一緒に解決していく仕組みづくりを博士課程で研究していましたが、その最中に3.11が発生し、自分がどう向き合っていくべきかを深く考えました」
「若者がエネルギーについて討議して、何が問題なのか徹底的に理解してもらうことが重要だと思っています。」
竹内さんが事務局の一員として関わる『次世代エネルギーワークショップ』では、日本の未来を担う若者が、30年後の日本社会の姿を想定してエネルギー問題と真正面から向き合い、専門家や参加者同士が議論します。竹内さんはその中で、異なる価値観を持った人たちのディスカッションが円滑に行えるためのデザイン設計(場づくり)を担っています。ちなみに、このワークショップは現在参加者募集中とのことです!
「異なる価値観を持った人たちが、どうwin-winな関係で将来的にも一緒に協力していけるか、探っていきたいと思っています」と竹内さんはお話しくださいました。
異なる価値観がwin-winな関係を築ける
複雑な問題あるいは社会で『誰ひとり取り残さない』ためには、竹内さんの取り組みや場づくりが今後もっと重要になってくるのではないでしょうか。JEEFが環境教育を通して目指す社会にも、竹内さんの仰る「異なる価値観がwin-winな関係で協力し合う」ことが、つながるような気がしています。
実際、シンポジウム等で地域事例の紹介をすると、問合せなどの反響もあるのだとか。今後の大きな期待を胸に、お話を伺うことが出来ました。
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。