事務局日誌 Blog

市民のための環境公開講座レポート「もっと山や森の中へ」 2020.10.10

市民のための環境公開講座パート1「生きものと気候変動」を開催しました。
2020年度は初のオンライン開催で実施し、遠方等でこれまで受講いただけない方にも多く参加いただくことができました!

パート1第2回は「もっと山や森の中へーいきものの痕跡を求めて」。講師は動物学者・けもの塾塾長の今泉忠明さんです。

「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)の監修で知られています。自然の中で出会った動物やこれまでの研究の話をまじえながら、山や森などの自然の中で過ごすことの大切さをお話し頂きました。

▼講座のダイジェストはこちらからお読み頂けます。
第2回「もっと山や森の中へ ーいきものの痕跡を求めてー」

 

講座を受講したJEEFインターン生のレポート

レポート:関根瑞希(CSOラーニング生)

「森に行っても動物と会える確率は低いと思います。しかし、森に行くことで動物たちと同じ空気を自分も吸っていることに思いを馳せてみてください。」と講座の最後に今泉先生が仰っていた。夜の森で1人で過ごして、動物の気持ちになってみようというワークショップを受けたとき、私は見えないけれどどこかにいるはずの動物たちに思いを馳せていた。周りの暗さや木々が擦れる音、正体の分からない音でいっぱいで、とても恐かった。
1匹で行動している動物はこんな心細く夜を過ごしているんだろうか?群れの動物は少しは安心できるんだろうか?どこにいれば居心地がいいんだろう?どこかの陰に蠢いている虫たちもいるのだろうか?普段の生活なら一瞬で過ぎてしまう20分ほどの時間がとてもとても長く感じた。動物を観察しに森に行くことももちろんだが、ぜひそこに住む動物を体感しにも行って欲しい。

講座の中で何種類かの動物が紹介されていた。動物は皆生息している環境に適した体の作りになっている。また環境の中でも、時間や食べ物・住処などなどで棲み分けがされていてとても興味深い。それぞれの体で対応できる範囲がパズルのように組み合わさっていて、なんで相談もしてないのにこんなに綺麗に分かれているのかとても不思議で、生物を学ぶ中で、その構造や、体の仕組み、行動、社会性に意味があることを知るごとに更に「生き物ってすごいな」と感じる。でもその緻密な生き物にとって「環境が変わる」というのは間違い無く一大事である。少しでもパズルのピースが欠けないよう行動しよう。

 

レポート:前川奈々美(CSOラーニング生)

産業革命以降の地球環境の変化が人間によるものであるならば、環境悪化を食い止める責任も人間にあるはずだ。産業革命以来の人間の活動によって温暖化はあまりにも急速に進んでいる。それ以前の自然な環境の変化には対応できてきた動物も、この変化のスピードには対応不可だという。このままいくと絶滅する動物も今後さらに増えてくるだろう。

温暖化は人間にも多大な影響を及ぼしている。人間の活動によって、苦しんでいるのは自然環境や動物だけではない。産業革命以降、環境や人々への影響よりも発展、発達を優先してきたのは主に日本含め先進国であると考える。先進国と言われる日本で暮らしていて「気候が危機であること」を感じるのは大型台風や猛暑など「異常気象」の時だろう。しかし、それだけではない。主に新興国において、「環境難民」と呼ばれるような人たちがいる。

私がこの言葉に関心を持ったのは、あるニュースを通してであった。日本メディアではあまり大きな話題になっていなかったような気がするが、今年1月に国連が、「気候変動による危機から逃れた難民について、本国へ送り返すことはできない」という判断を出した。この判断はキリバスからニュージーランドに逃げたイオア・ティティオタさんの難民申請を巡るものだった。洪水、砂漠化、森林破壊、海面上昇などの災害により、居住地や飲料水不足によって必要最低限の生活が送れなくなりつつあり、国を失う脅威が差し迫っている。

新興国の人たちの人権が奪われ、先進国側である私たちの発展や富のために犠牲になっているのは不公平だ。SDGsのゴール「誰1人取り残さない」からも遠くかけ離れていると思う。私たちが今まで驚異的に発達させてきたスピード力や技術力を上手く利用すれば、現状を良い方向に動かせるはずだ。

▼講座のダイジェスト・お申込みはこちらからお読み頂けます。

JEEFメールマガジン「身近メール」

JEEFに関するお知らせやイベント情報、
JEEF会員などからの環境教育に関する情報を
お届けします。

オフィシャルSNSアカウント

JEEFではFacebook、Twitterでも
情報発信を行っています。
ぜひフォローをお願い致します!