【開催日】2014年6月15日(日)
【開催地】海の博物館(三重県鳥羽市)
【主催】NPO法人大杉谷自然学校
【協働】認定NPO法人日本NPOセンター、JEEF
【協賛】(株)損害保険ジャパン、日本興亜損害保険(株)
【協力】海の博物館
※SAVE JAPANプロジェクトとは、47都道府県のNPOと地域の皆さま、損保ジャパン・日本興亜損保が一緒になって、全国の「いきものが住みやすい環境づくり」を行うプロジェクトです。
47都道府県で希少種や生態系の保全活動を行うイベントを企画し、地域の皆様に環境活動へ関わるきっかけを提供する「SAVE JAPANプロジェクト」。JEEFは7地域を担当し、各地域の団体と一緒にプログラムの企画・運営を行っています。
今回はご紹介するのは三重県のプログラムです。実施はJEEFの団体会員・NPO法人大杉谷自然学校。鳥羽市の海岸で、アマモ場保全のためにアマモの種とり・浜辺の清掃・アマモの種の植え付けの全3回で開催します。その第1回が、6月15日(日)に実施されました。
アマモの種とり
アマモは波の静かな湾内の浅瀬に生える海藻で、群落をつくっているところが「アマモ場」です。アマモ場は小さな海の生き物たちが育つ大事な住処となっていることから、「海のゆりかご」とも呼ばれています。メバルやボラ、最近レッドデータブックに載ってしまったウナギの稚魚も、アマモ場で暮らしています。このアマモは、水質や砂がきれいで、人工物によって海岸線が撹乱されていないところでなければ生育できません。三重県鳥羽市の海岸では、ここ50年で100分の1以下に減少してしまいました。
今回の活動では、種を採種し、アマモ場の生き物の観察を行いました。三重県内の親子、損保ジャパン・日本興亜損保社員等、総勢61名が潮の引いた海に入り、アマモの種を採種しました。一面アマモでいっぱいの海。自分の足元も見えないほどです。講師にお呼びした海の博物館の方に種の見分け方を教わりながら、種のついた花穂を探し、ハサミを使って茎から切り取ります。1時間足らずで、大きなプラスチックケース3個にいっぱいのアマモの花穂が回収できました。これらは11月のイベントで植付けを行いますが、うまく育つのは、そのうち5~6割程度とのことです。
「ゆりかご」に棲む生きものたち
種とりの後は、アマモ場に暮らす生き物たちの観察です。種とりでたくさんの人が踏み入った後にも関わらず、少し網をくぐらせると、たくさんの稚魚や小さなクラゲ、オコゼ、大物だとそれらを食べに来たアナゴまで捕まりました。透明のケースに入れて、みんなで観察します。1時間程度の観察会で、見つけた生き物は24種類以上。もしかしたら、子どもより大人の方が夢中だったかもしれません。
短い時間で、アマモ場にどれだけ多くの生き物たちが暮らし、大事な場所であるか、感じることができました。たくさんの生き物たちが産卵し、稚魚が育ち、大きくなって大海原へ旅立っていくアマモ場は、まさしく海の「ゆりかご」です。
文責:垂水恵美子(JEEF職員)
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。