はじめまして! 今回からこの連載を担当します、イラストレーターの鈴木みきです。おもに山登りの楽しさや魅力を伝えるマンガ本を描いたり、登山専門誌に寄稿することをお仕事としています。と聞くと、さぞかしバリバリ登山をしているように思われるかもしれませんが、登山歴は13年ほどで登るよりも眺めている時間の方が長かったかもしれません。もともとはインドア派で運動神経が確実に鋭くないので、バリバリやりたい気持ちはあっても危ないのが分かるのです。運動できない人は「遠慮」が身についています。ちゃんと己を過信せず(できず?)自制心をもって登山とお付き合いしてきました。(遠慮するから上達も遅いんですよね…)さらに東京生まれの千葉のベッドタウン育ちで東京出戻り。生粋の関東平野っ子の私でしたが、山との出会いを機にスキー場や山小屋で働きはじめ、にわか山間部っ子になりました。3年前には単身、四方八方を山に囲まれた山梨県北杜市に引っ越して、住民票も山の子(…もう40歳ですが)になってしまいました。
小さいころは気持ち悪くて裸足にもなれず、外で遊ぶことすらしませんでした。都会で遭遇する虫といえば蟻か蝿か蚊か蛾か蜘蛛くらいなものでしたが、どんな小さな虫でも家に入ってきたら発狂号泣していました。思春期には太陽を敵かのように逃げてまわり、日焼けしないようにしている姿はアラブの女性のようでした。青春期にはレコードや古着に夢中でお金がなく、不味そうな鶏ガラのようでした。そんな私が太陽の下で山を登り始めたのですから、親族は一同に腰を抜かしました。
今では虫を見ればおそるおそる近寄って凝視し、敵意がなさそうであればひっくり返しています。体もすこぶる健康で風邪もひきません。ただ靴下だけは寒がりで滅多に脱げません。しかしこれは昔とは違う理由なので目を瞑るとしても、こんな自分革命が起こるとは人生って分からないものですね。
多くの子供がするようなことをあまりしなかったおかげで、私は今とても山の生活を楽しんでいます。いろんなことが新鮮で知らないことだらけ!「赤ちゃん返り」…とは違いますが、「リバイバル小5」みたいな感じでしょうか?今回は自己紹介で終わってしまいますが、これから身近な自然のこと、山のこと、動物や虫のこと、40歳の小学生目線で綴っていこうと思います。自然界への素朴な疑問も多いのでみなさんにいろいろ教えていただきたいな! よろしくお願いします。
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。