大学生対象の環境教育講座「NEC森の人づくり講座」を実施しました!
自然体験を通して環境を学ぶことで、将来、企業・学校・役所またはNPO/NGO等で、環境に配慮しながら持続可能な社会をつくる社会人となる人材の育成を目指す3泊4日の講座です。
これまで800名近い修了生を輩出し、社会のさまざまな分野で活躍しています。
講座の中では過去2年間、震災復興の一貫として、環境活動を通した被災地支援を行っている方を講師にTV会議(skype)を使った情報交換の時間を設けたり、東北産のドングリの苗を参加学生に持ち帰って育ててもらい、数年後に故郷へ返す約束をしたりと、講座の中に取り入れていました。
20周年を迎えた節目の今回は、会場を東北に移しました。
育ててもらったドングリ苗の植え替えや、実際に講師の活動の場へ赴き、体験・見学するなど、それぞれの役割を持って行っているさまざまな被災地支援のかたちを学びました。
到着してすぐは、緊張の面持ち。この後、アイスブレイクゲームで一気に打ち解けました。
過去2年間の講座で持ち帰り育ててもらったドングリの苗木を植替えました。
春になったら、スタッフがきちんと植樹します。
2日目は、施設のある登米市から気仙沼~陸前高田を移動します。
NPO法人森は海の恋人・畠山信さんを講師に、フィールドを案内しながら津波があった時の様子をお話してくださいました。
さらにボートで沖へ出て、牡蠣の養殖イカダの見学を通して、森から川、川から海へ水や栄養分が流れてくることで、美味しい牡蠣が育つことを学びました。
昼食場所は、陸前高田の「竹駒食堂」さん。被災の後、食堂を始められたそうです。
「あなたたちまだ若いんだから、なんでもできるわよ!」と逆に元気づけられてしまいました。
JEEFのインドネシア事務所とのTV会議(skype)。
インドネシアで活動する現地の人たちに国立公園での活動を紹介してもらい、グローバルな視点からも環境を考えました。学生たちから活発に質問が飛んでいます。
ちなみに、画面の向こうに映っているのはインドネシア事務所長・矢田です。
TV会議の会場はNECネッツエスアイさんの運営するコワーキングスペース「ひまわりハウス」。
コワーキングスペースは、人の集う場所のこと。ITの設備を無料で使えるので、会議や打合せはもちろん、地域の人たちが誰かへ会いにくるだけでも大歓迎とのこと。東日本大震災の被災によってコミュニティが崩れてしまった陸前高田で、ホッと一息つける場所です。
この講座に20年協賛をいただいているNECさんから、社会貢献としての被災地支援のお話や、ひまわりハウスの役割についてご紹介いただきました。
市民団体とは異なる専門分野を活かした企業の視点、学生たちにとっては貴重な時間です。
3日目は(一社)くりこま高原自然学校・代表理事の佐々木豊志さん。
自然学校の持つサバイバルの技術やノウハウを活用し、避難所の支援を行った時の話。
木材を取り扱う企業やメーカーなどと一緒にNPO法人日本の森バイオマスネットワークを設立し、ペレットストーブの普及や薬品を使わない木材での建築を進めるなどの活動の話。
複数の異なる立場の人たちが同じ目標に向けて協力する姿を見せてくれました。
さて、学生たちには1日目に「環境活動を通して被災地に何ができるか」をテーマにグループで話し合ってもらった後、大切だと思うキーワードをひとり3つずつ出してもらっていました。
それぞれの講師からもキーワードをいただき、彼らがどのような想いで活動を続けているのか、学生たちも短い単語から感じ取っていた様子です。
学生たちには「5年後の2020年までの目標」を各自で設定してもらいました。目標が設定できると、2015年から1年ずつ、2020年の目標を達成するためのプランを描いていきます。
最後に全員分の「未来設計図」を横一列に並べ、1年ずつ、誰がどんな活動をしている予定なのか見ていきました。
発表を終え、横一列に並べられた「未来設計図」を持って記念撮影をしました。20枚の未来設計図が並んだ様子は圧巻です。
新たに誕生した“森人(もりびと)”20名の今後の活躍が、とても楽しみです。