7月20日(土)~21日(日)の1泊2日で「奥多摩の森で過ごす 〜親と子のわくわくキャンプ」を開催しました。
大人にとっては子育てや仕事で忙しい日々をしばし忘れて、自然に癒されながら自分と向き合う時間。
子どもにとっては興味のあることを見つけ、挑戦し、成長できる時間。
多忙なひとり親家庭の親子がともに自然の中でほっとできる時間を過ごすとともに、野外調理や焚火、渓流遊び、森のぶらんこなど東京とは思えない豊かな自然を満喫する機会を提供することを目的として実施しました。
共催:認定NPO法人アースマンシップ
当日は9組18名の親子が参加。奥多摩駅からバスで移動し、キャンプ場まで50分程度の林道を歩きます。アースマンシップ・じゅんさんによる見つけた草花や地形、水の流れ、鳥の声などつぎつぎ解説が入り、あっというまにキャンプ地に到着。当日は36℃の酷暑でしたが、水源林であるここは比較的涼しく、過ごしやすい気候でした。夕方でもないのに聞こえるヒグラシの声、豊かな水が流れる音、渓谷を抜ける涼しい風。それらがさらに涼しく感じさせます。
水源林ってどんなところ?
『水源林』とは、私たちが飲んでいるおうちの水道水のふるさとです。山に降った雨が森から湧き出して、やがて川になり、それがきれいな水道水として私たちに届くように、健康な森が育てられています。
森林には木材を生産するだけでなく、洪水や渇水をやわらげ土砂崩れを防ぐほか、安らぎの場を与えてくれるなど、私たちの生活を支える大切なはたらきがたくさんあります。
今回のキャンプで使わせて頂いたフィールドは、アースマンシップさんが特別に許可を得ている、東京都の取水口より上流にある場所です。川の水もそのまま飲めるくらい綺麗です。
この自然を守るため、自然に負荷を与えない “ロー・インパクト・キャンプ” を参加者の皆さんには体験していただきました。電気や水道といったインフラ整備はまったくなく、トイレはコンポストトイレを採用。食事の後は、米のとぎ汁で油汚れを分解して食器を洗い、歯磨き粉も使用禁止です。ちなみに、スマホの電波もほとんど通じません。本当にここは東京!?と驚かれていました。
キャンプでは、食事の準備や、料理や飲み水のための水汲み、火おこしもみんなで行います。
子どもたちも積極的に手伝ってくれます。包丁を持ってニンジンやタマネギを切る様子に、保護者はヒヤヒヤしつつ、じっと見守っていました。
「家だと私(親)がやった方が早いから手伝いさせなくて、こんな上手に包丁が使えるなんて知りませんでした」
「普段はこんなに食べないのに、今日はたくさんおかわりして驚いた。自分でお米を炊いて、野菜を切って、美味しい空気のなかで食べるごはんは格別だったのでしょうね」
保護者からもそんな声が聞こえました。
一番人気は、川遊び
中でも大盛り上がりだったのは、やっぱり川遊び。水源林の上流にある川はとても澄んでいて、ヤマメなども棲んでいるそう。大人も子どもも、水を掛け合ったり、プカプカ浮かんだり、高い岩の上から飛び込んだり、思う存分堪能しました。
2日間の時間を、過ごしたいように、それぞれ過ごしていました。
インフラや大掛かりな遊び道具はありませんが、代わりにダイナミックな自然がたくさんあります。子どもたち同士もすっかり仲良しで、あちこち走り回ったり、ブランコに乗ったり、川で水切りしたりと、元気いっぱいです。
大人も童心にかえったように遊んだり、ゆっくり焚き火や空を眺めたり、子どもと語らったり。親同士が語り合っている様子もよく見られました。
出会ったときはなんとなく強張っていた皆さんの顔も、帰る頃にはすっかりほぐれ、大自然に癒された様子がうかがえました。
これを機会に今後も、自然の中で過ごす時間を取り入れてみていただけると嬉しいです。
なお、本企画は東京マラソン2024チャリティの寄付金により実施いたしました。
JEEFでは、様々な形で頂戴したご寄付や会費を活用させていただくにあたり、身体的理由や経済的・地域的な理由などで、これまで私たちのプログラムに参加する機会のなかった方々との出会いの場を増やし始めています。
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文責:垂水恵美子(総務部 寄付・会員担当)