2024年7月に起きたバングラデシュの政変の影響で、しばらく取りやめていた現地出張に半年ぶりに行ってくることができました。
「バングラデシュ・ジョショール県の零細ヤシ砂糖生産者と花卉農家の6次産業化を通じた生計向上プロジェクト」2年次の進捗状況をお知らせします。
①協同組合事務所の建設
協同組合事務所と6次産業化商品の加工場を兼ねた建物の建設が順調に進んでいます。
こちらはヤシの木から収集してきたヤシ蜜を煮詰める作業を行う建物です。
真っ赤な屋根が村の緑に映えて、存在感ばっちりです。
協同組合メンバーもちょくちょく建設の様子を見に来ており、完成を楽しみにしています。
②ヤシ砂糖生産者グループ
今年は寒くなるのが遅く、12月初旬ではまだ本格的なヤシ蜜採集が始まっていませんでした。
こちらは、藁を敷いた上にヤシ蜜収集用の壺を並べて、燻して殺菌を行っている様子です。
研修で学んだ知識を活かして、安全なヤシ砂糖をお届けするべく、組合メンバーは準備に余念がありません
組合メンバーのご家族がヤシ砂糖を使ったおやつでおもてなししてくれました。
(左側)揚げ菓子2種類は「ピタ」という冬の名物。
この日は、ココナッツが中に入った半月型のものと、生地にヤシ砂糖を練り込んだ満月型のものを用意してくれました。どちらも甘すぎず美味しい!
(右側)「パエシ」というお米と牛乳、ヤシ砂糖を煮込んだ甘いおかゆのような伝統的なスイーツです。
③花卉生産者グループ
本プロジェクトで支援したガーベラ栽培用のグリーンハウスです。
ガーベラは市場価値の高いお花ですが、雨風に弱いためグリーンハウスでの栽培が必要となります。
しかし、零細農家にはグリーンハウスを建設する費用がなく手を出せない状況でした。
こちらでは、本プロジュエクトで推進しているミミズコンポストの堆肥を活用して栽培しており、成長も順調で「市場で1等の評価をもらえた」と嬉しそうに教えてくれました。
④手工芸品グループ
現地スタッフを中心に販売してくれるお店のマーケティングに力を入れています。
こちらはジョショール市内の衣料店が集まるエリアにある洋服屋さんです。
通り沿いの目立つところに本プロジェクトの手工芸品(ヤシの葉のカゴ)を並べてくれていました。
購入者への商品満足度アンケートも実施してくれており、現場の声を元にさらに商品を改善していく予定です。
⑤小学校での環境教育
訪問した日は期末試験の最終日でしたが、大勢の子どもたちが集まってくれていました。
(バングラデシュの学校は1月始まり~12月終わり)
こちらは学校の壁に掲示してくれていた本プロジェクトの経過をまとめたものです。
子どもたちがひとつひとつの写真を丁寧に説明してくれました。
「冬休み中も近所の先生と子どもたちが学校菜園の維持をする」とのことで、収穫できたら一緒に食べようと子どもたちが有機栽培に喜びをもって取り組んでくれている様子がよくわかりました。
⑥現地スタッフ研修
出張のたびに現地スタッフ向けの研修を実施しています。
今回は環境教育の授業観察を通して、参加者主体のプログラム運営を行うために必要な手法について議論を行いました。
現地語で研修を行える強味を活かして、スタッフのスキルアップとプロジェクトの質の向上に貢献してければと考えています。
引き続き、組合メンバーの生計向上に向けて現地スタッフと一致団結して事業を進めていきます。
▽第2年次事業計画についてはこちらをご覧ください。
https://www.jeef.or.jp/activities/jashore_bangladesh/
文責:大塚美香(事業部第2事業グループ)