近年、気候変動、生物多様性の損失、環境汚染をはじめとする環境問題が深刻化しており、あらゆる主体による自発的な取組によって、個人の行動変容と組織や社会経済システムの変革とを連動させていくことが、これまで以上に求められています。2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)等の国際的な動きや、我が国における2050年までに脱炭素社会、循環型社会や自然共生社会の実現を目指す動きの中、環境教育の取組においては、ESD(持続可能な開発のための教育)の考え方を踏まえ、全ての大人や子どもに対して、あらゆる場において、環境・経済・社会を統合的に向上させ、組織や地域社会などでの具体的な変革に向けた行動を進める視点をもって取り組むことが重要です。
こうした理解の下、学校においては、学習指導要領に基づき、持続可能な社会の創り手となることが期待される子どもに、「生きる力」を育むに当たって、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の実現に向けた授業改善を図り、現代的な諸課題として、自然環境や資源の有限性等の中で持続可能な社会をつくるための資質・能力を教科等横断的な視点で育成するとともに、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図ること(カリキュラム・マネジメント)が求められています。
令和6年5月に全部変更の閣議決定がなされた「環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する基本的な方針」において、環境教育は、ESDの考え方を踏まえつつ、すべての大人や子どもに対して、あらゆる場において、発達段階又は生活の在り方に応じ、知識の習得だけでなく、目標の達成、他者との協働、情動の制御等を含む社会情動的な学び、具体的な行動に必要な技能の学びを通じ、社会や組織の変革と個人の変容を連動的に支え促すことを目的とし、体験活動、多様な主体同士の対話と協働、情報通信技術(ICT)の活用を特に重視して推進していくことが重要である、とされました。
これらを踏まえ、本研修は、持続可能な社会の構築を目指し、SDGsという世界共有の未来の価値を相互に学び合い、学校のみならず、地域におけるあらゆる場で質の高い環境教育・ESDを実践・推進するリーダーとなる人材を育成していくことを目的に開催します。
カリキュラム・デザイン・コースの講師
集合型研修/講師派遣型研修
(五十音順)
石田 好広 目白大学 人間学部児童教育学科 教授
關口 寿也 東京都多摩市立連光寺小学校 校長
建元 喜寿 筑波大学附属坂戸高等学校 主幹教諭
棚橋 乾 全国小中学校環境教育研究会 顧問
前田 修之 佐賀県立厳木高等学校 校長
松井 孝夫 群馬県立尾瀬高等学校 非常勤講師
松葉口 玲子 横浜国立大学教育学部 教授
プログラム・デザイン・コースの講師
メイン講師は、各研修実施事業者の担当者が担います。上記の講師も1名同行いたします。