王子の森自然学校

王子の森自然学校の魅力

王子ホールディングス株式会社の担当者に直撃インタビュー!「人、森、産業のつながりを楽しく学ぶ」王子の森自然学校の魅力

「王子の森自然学校」をJEEFと共催する王子ホールディングスは、森林資源のサスティナブルマネージメントを行う製紙企業です。2004年から16年間にわたり、小学校高学年の子どもたちを対象に、自社の所有する社有林と工場を活用した体験型自然教育プログラム、「王子の森自然学校」を開催しています。担当の原口さん、天達さんに王子の森自然学校の取り組みの目的や魅力についてお聞きしました。


担当の原口直人さん(左)、天達彩子さん(右)

―――王子の森自然学校の開催にかける想いを教えてください。

王子グループには「木を使うものには木を植える義務がある」という考え方があり、国内外に多くの社有林を持っています。日本国内には約19万ヘクタールという大阪府に相当する面積の森林を保有しており、これは民間企業で1番の大きさです。今でも紙の原料の2割を国内チップで賄っている他、社有林を管理し健全な森を守っていくことは、土砂崩れの防止、CO2の吸収、そこで暮らす生き物たちの生態系保全など、日本の豊かな自然を守る役割を果たしています。このような私たちの取り組みや森林の役割を、次世代を担う子ども達に知ってもらいたいという思いから、社有林を環境教育の場として活用しています。

―――社有林には、原材料確保だけではなく、土砂災害を防いだり、日本の豊かな国土を守るなどの役割があり、その社有林の活用方法の一つとして、JEEFと協働で王子の森自然学校という環境教育を始めたんですね。

天達さん:
そうですね、森は放置していたらだめで、管理しないと健全な森は保たれないんです。森が健全でないと土砂災害などの災害につながることもあります。私たちは責任を持って健全な森を保つ取り組みをしており、このような環境に配慮した事業活動をしていることを一人でも多くの方に知ってもらいたいと思っています。

―――王子の森自然学校の取り組みで子ども達が得られる・学べることは何でしょうか。

天達さん:
まず、一番はどのように紙が出来るかを正しく学べることです。私たちがプログラムの冒頭で「紙は何からできているでしょう?」と質問すると、多くの子は「木から出来ている」と答えます。でも、実際は紙を作るにあたってリサイクルされた古紙が6割を占めていて、残りの4割は自社で植林した木や、家具などの材料となる板や柱を取った残りの木で、そのお話をすると、子どもたちは皆驚きます。子ども達に、紙は何からできているかを正しく知ってもらうことで、リサイクルの重要性を理解してもらうことにもつながっています。

原口さん:
プログラムでは、実際に木を切る「間伐(生育の妨げになる木や枝を伐採する)の仕事の現場を見学できます。間伐は、健全な森を守るために必要なことなのですが、子どもたちは実際に自分自身でも間伐体験をすることでそれを学びます。体験後に子ども達から、「森を管理する仕事の話をもっと聞きたかった」、「もっと近くで仕事の様子を見たかった」という声が多くあって、環境について学ぶだけでなく様々な職種の人と触れ合い交流できる仕事体験の要素も含んでいると思います。

 

―――原口さん、天達さんからみた「王子の森自然学校」の魅力を教えてください。

原口さん:
社有林での間伐体験と、自分たちが普段使っている紙が工場でどのように製造されているか、合わせて見られることです。原料の調達から紙の製造、それが自分たちに回ってきて、使用後は古紙として回収され、またリサイクルされるという流れを知識だけでなく体験や経験として学ぶことができます。これは他にはない魅力的なプログラムだと思います。

天達さん:
自分たちで計画的に植林した木を紙の原料とする「森のリサイクル」や、古紙から紙を作る「紙のリサイクル」に基づいた事業活動を見学、経験できることです。製紙会社がどのように地球環境や日常生活に貢献しているか、目で見て、手を動かして体験することは、学校や家庭では体験させてあげられない、貴重な学びではないでしょうか。

―――王子の森自然学校には、どんな子ども達に参加してほしいという思いがあるのでしょうか。

原口さん:
いろんなことを積極的に学びたい、飛び込みたい、触ってみたいと思っている子はもちろん、普段あまり自然に興味がない子にも来てもらい、参加する中でいろんなことを考える機会になってほしいと思っています。

―――保護者様が感じた参加した子どもの変化はありますか。

天達さん:
私たちはプログラムの後に、保護者の方と参加した子どもたちにアンケートを取っています。アンケートの中で一番コメントが多いのは「森を管理する仕事や人」についてです。普段なかなか接する機会のない人たちとの交流は、子ども達にとって印象深いものであることを毎年のアンケートを見て感じますね。
また、「王子の森自然学校に参加した後にお子さんの変化が感じられましたか」という設問では、9割以上の保護者の方が何かしらお子さんの成長を感じたと回答してくださいました。(2019年 実施時)具体的には、「実際にプログラムで学んだ、知識や経験について披露した」、「子どものリサイクルや環境への意識が高まった」、「自然が好きになった」が多く挙げられており、私たちが王子の森自然学校の狙いとして掲げている「人、森、産業のつながりを楽しく学ぶ」を達成できていると考えています。

 

―――最後に、「王子の森自然学校」へ参加を希望される子ども達へ、メッセージをお願いします。

原口さん:
感受性が豊かな時にこそ、ぜひいろんな方に参加していただいて、その経験を周りの人に伝えてください。また、伝えるだけではなく将来ふと思い出されてほしいですね。楽しんで参加してください。

天達さん:
王子の森自然学校を開催している北海道や静岡の地元の子ども達に、自分たちの町の産業について正しく理解してもらうことが地域との共存にもつながると思うので、是非地元の子どもたちに参加してもらい、製紙工場や製紙業のことを知ってほしいと思っています。

王子の森自然学校には今回の記事では伝えきれなかった魅力がまだまだたくさんあるので、わが子には日常生活では経験できない、いい体験をさせてあげたいと考えている保護者の方はぜひ参加していただきたいと思いました。

(JEEFインターン生 寺眞人)

森のめぐみが、私たちの暮らしを支えてくれている。参加した子がその場だけでなく、体験を通して感じた「びっくり」や「気づき」を持ち帰り、ふりかえって、周りの人に伝えたいと思う、その気持ちが環境教育ではとても大切な第一歩だと考えています。「王子の森・自然学校」では、1人でも多くの子どもたちにそんな機会を提供できるようプログラムを企画していますので、子どもたちの参加をお待ちしています!