JEEFの活動 Activities

東京ネイチャーアカデミー2024 活動報告

11月12日 フィールドワーク「雑木林の保全活動」
講師:平井純子氏 駿河台大学副学長・教授
雑木林は人が利用し続けることによって維持されてきた環境ですが、今は人口減などが原因となって各地で様々な問題が起きています。竹林の拡大やつる植物の繁茂による樹木の枯死、野生鳥獣による食害などについて、埼玉県飯能市の里山におじゃまして学びました。この日は小春日和のもと、ツル切り作業や収穫されていない果実の採取などの保全活動を体験して、刈り取ったつるを材料にその場でリースを作り、昼食では薪でお米を炊いてジビエの鹿カレーをとても美味しく頂きました。


 

11月6日 フィールドワーク「東京の崖を訪ねる(ママ下湧水と矢川緑地)」
講師:小泉武栄氏 東京学芸大学名誉教授
この日は南武線谷保駅の南にある谷保天神からスタートして、国分寺崖線・拝島崖線の下にできた水量豊かな湧水を巡り、なぜここに湧水が生まれたのかについて地層や地形との関係から学ぶ野外学習でした。崖線に特徴的なケヤキ、エノキ、ムクノキの大木や、湧水の流れに育つ水生植物、湧水で採食するサギ類やカモ類の観察も楽しみながら歩き、途中で古民家や郷土文化館にも立ち寄り、豊かな湧水と雑木林の恵みを生かした以前の暮らしについても学びました。

10月29日 午後・座学「秋~冬の星空・宇宙のなぞ・天体入門」
講師:国司真氏 跡見学園女子大学兼任講師
今秋に観察できた紫金山・アトラス彗星、毎年季節ごとに見られる流星群など、その気になれば実際に観察できる天体と現象についてのお話から始まり、彗星とはどんな星なのか、太陽系の構造や天の川からひも解く銀河系や宇宙の構造など、様々な天体写真やデータを見せて頂きながら天体と宇宙についてとても興味深いお話を頂きました。いつ、どこに行けば良いのかなど、星空観察の相談にもいろいろ乗って頂きました。
 

10月29日 午前・座学「昆虫学入門」
講師:橋本健一 氏 千葉県立保健医療大学 名誉教授
そもそも昆虫とはどんな生き物なのか、体のつくりはどうなっているか、他の生き物とはどう違うのか。など昆虫に関する基本的なお話から始まり、昆虫の飛び方の仕組みと種類による違い、チョウとガの違いや(実は違いがない!?)、実際に観察できる昆虫の行動をもとにした興味深い講義でした。講師が持ってきてくれた標本を間近で観察して、ますます昆虫に関心が湧く様になりました。

10月17日 フィールドワーク「東京の里山保全地域 横沢入観察会」
講師:川上典子 氏 NACS-J自然観察指導員 東京連絡会(NACOT)代表
秋の稔りの季節は、東京あきるの市に残された貴重な里山に出かけての自然観察会でした。NPOたんぼの会が維持管理する田んぼはちょうど稲刈りの時期を迎えていました。田んぼの周辺と谷戸を歩いて、チョウやクモやバッタなどの虫たちや、野辺に咲く秋の草花を観察できました。様々な生きものたちで賑わう里山の自然を観察して、人が関わり続けることで維持される自然の豊かさもあることについて、実際に生きものにふれあいながら学びました。

 

10月1日 午前・フィールドワーク 午後・座学「海辺の生き物観察・里海の利用と保全」
講師:海野義明 氏 はやま里山ファーム株式会社 代表取締役、認定NPO法人オーシャンファミリー アドバイザー(前代表理事)
夏休が明けて最初のフィールドワークは海辺で行われました。神奈川県葉山町の里海・里山で長年環境教育に取り組んできた海野氏を講師に迎えて、まずは葉山海岸の浜と磯で生きもの探しに挑戦しました。磯では魚、貝、カニやヤドカリなどの生きものを見つけて、その生態や特徴について学びました。砂浜では拾ったものを自然物と人工物、山の物と海の物に分類して、なぜここにあるのかを考えました。圧倒的に多かったのはプラスチックゴミでしたがレジ袋は激減したそうです。
 

 

9月24日 午後・座学「アクションプランの作り方」
講師:川嶋直 氏 (公社)日本環境教育フォーラム 主席研究員(前理事長)
本講座の修了後、受講生がご自身でご家族や友人などをさそって、自然とのふれあいを楽しんだり自然について学ぶきっかけをつくれる様になるために、実際に「アクションプラン」(活動計画)を作って修了式の日に受講生同士で共有します。この日はワークショップ形式で何を目標にしてどんな計画を立てるのか、その方法についてグループで話し合いながら体験的に学ぶひと時となりました。アクションプランは修了後のOB会の活動でも役立つものとなります。

9月24日 午前・座学「SDGsの基礎講座」
講師:星野智子 氏 (一社)環境パートナシップ会議 代表理事
近年SDGs(持続可能な社会のための17の目標)についてテレビや新聞で取り上げられる機会が多くなりましたが、そもそもSDGsとは何なのでしょうか。これまでの経緯について学び国や企業、NGOやNPOの取り組みついて、SDGsの普及に取り組んでいる組織の代表を講師に迎えての講座でした。後半はワークショップ形式でSDGsについて自分自身が取り組めることについて考えるひと時となりました。

7月23日 午後・座学「地生態学への招待」
講師:小泉武栄 氏 東京学芸大学名誉教授
地生態学とはどんな学問なのかについて、この学問分野を築いた講師ご自身の研究歴をご紹介いただきながら、標高の高い山に登った時に、見た目の山の形や地質や土壌がなぜ場所によって異なっているのか、その原因は何かについて考えて調べてみると、とても面白い様々な発見があることを、日本と海外の事例をもとにご紹介頂きました。秋には小泉先生と一緒に崖線を見学するフィールドワークがあるので、とても楽しみになりました。本講座の終了をもって夏休み期間に入るため、講座終了後には有志で交流会が開かれ、たくさんの楽しい話題で盛り上がりました。

 

7月17日 午前・座学&野外「東京の絶滅危惧植物と植物多様性センターの取り組み」
講師:日比也貴 氏 神代植物公園 植物多様性センター 副センター長
東京都に生育する植物において、どんな植物がどんな原因で絶滅の危機に瀕しているのか、また東京都の対策として植物多様性センターの取り組みついてお話を伺いました。後半はセンターの外に再現された島しょ部の海岸の植生や武蔵野の雑木林の植物を間近で観察したり触ってみたりして、それぞれの環境における植物の特徴についても学びました。講師のお話がわかりやすく詳細で、受講生はずっと耳を傾けて熱心にメモを取っていました。

 

7月2日 午後・座学「人と動物の関係論」
講師:林義博 氏 国立科学博物館 顧問(元館長)/(公財)山階鳥類研究所 専務理事
人間は古くから野生動物、家畜、ペット等として、様々な形で動物とつながりを持ちながら暮らしてきました。今回は講師の先生ご自身が研究したハブのことや、捕鯨問題のその後、最近特に問題になっているクマと人との遭遇について、近年のデータをもとに人と動物の関係性について興味深いお話を頂きました。

7月2日 午前・座学自然保護の歴史と、移り変わってきた目標・目的」
講師:横山隆一 氏 (公財)日本自然保護協会 参与/NPO法人 奥利根自然センター 代表
戦後日本の高度経済成長時代に、実際に自然保護運動に関わってこられた講師をお迎えして、尾瀬の自然が守られてきた歴史を振り返り、日本の自然保護の歴史を中心に、環境NGOや行政の取り組み、自然保護に関する法律や国際条約について歴史をたどりながら学びました。また「生物多様性」や「外来種」、最近話題の「30by30」「OECM」などについて、わかりやすく解説して頂きました。
 

6月21日 午前・フィールドワーク 午後・座学「川の生きもの調べ・子どもに伝える安全な川遊び」
講師:木村幸一郎 氏 Hayper-Naturalist/東京都鳥獣保護管理員
この日はあいにくの雨となりましたが、裏高尾の小仏川に入って生き物調べを体験。網を持ってガサガサをやってみたり川の石をひっくり返しては、見つけた生きものを白いバットに入れて観察しました。環境省の全国水生生物調査に基づいて分類を行いながら指標生物について学びました。結果、小仏川はとても綺麗な川であることがわかり、生きもの調査で身近な環境の様々な変化に気づくことを体験しました。また、子ど もと川で安全に遊ぶため心構えや方法についても学びました。
 
 

6月11日 午後・座学「気象入門 天気を知って備える力を身につけよう!」
講師:伊藤みゆき 氏 気象予報士/NHKラジオ「今日のニュース」気象キャスター
気象情報の読み解きの基礎を学びました。天気予報の基本的な見方、天気予報で最近耳にする「JPCZ」「記録的短時間大雨情報」「線状降水帯」とはどんな気象現象か、様々な警戒情報とそれに備えた準備や行動などについて、過去の予報や天気図を参照しながら学べる講座でした。気象の知識が私たちの日常生活の安全確保に繋がるというお話は、とても説得力がありました。
 

6月11日 午前・座学と運動「自分の体の中の自然を知っておこう」
講師:河原塚 達樹 氏 (一社)日本クップ協会 代表理事
様々な野外活動が含まれているのが本講座の特徴ですが、受講生の主体はシニア層ということもあり、今後様々な野外プログラムを体験する前に、自分の体について知っておこうという趣旨で実施した講座。自分の身体能力を試すいくつかの体操やゲームにチャレンジした後は、シニアライフを楽しく豊かに過ごすための体づくりや健康管理に関する興味深いお話を伺いました。
 

6月4日 午前・座学 午後・フィールドワーク「植物入門・公園で学ぶ植物」
講師:片山 舒康 氏 東京学芸大学 名誉教授
午前は身近な公園でも見られる樹木を中心に、そもそも植物とはどんな生物なのか、姿かたちの違いはどうなっているのかに関する座学。午後は都立林試の森公園にかけて、樹々の特徴や見分け方、なぜその様な姿かたちになっているのかについて、葉や枝を実際に観察して識別にも挑戦しました。梅雨入り前の緑が色濃くなった森で、散策を楽しみながら樹木が少し身近に感じられる講座となりました。

5月28日(火) 午前・講義「都立公園の自然の魅力」 午後・フィールドワーク「六義園ガイドツアー」
講師:照井 進介 氏 (公財)東京都公園協会 防災多摩部エリア担当課長
都立公園にはどの様な公園があるのか、その役割や特徴は、どんな管理が行われるのか等について、実際に管理運営に携わっている東京都公園協会の方からお話を伺いました。午後は講師がセンター長を務めていた六義園を訪問し、その歴史や配置されているものが何を表現しているのか、どんな管理が行われているのか等について、じっくりと見ながらお話を伺うことができて、都立公園に対する興味が深まる一日でした。

4月17日 午前・午後 フィールドワーク「山の歩き方入門b・高尾山登山」
講師:山口 章 氏 日本アウトドアジャーナリスト協会 常務理事/「山と渓谷」元編集長
前回の座学「山の歩き方入門a」に続いて、今回は実際に山登りに挑戦です。晴天の青空の下、新緑に包まれた稲荷山コースを全員で登り、標高599メートルの山頂を目指します。登山の経験値は様々ですが、お互いにフォローしあいながら無事山頂に到着しました。昼食後は自然豊かな原生林のあるルートを経由して、最後は舗装道路を一気に下りました。下山後は自然ガイドの宮田浩さんから「ムササビの視点から見た高尾の森の特徴と豊かさ」に関するお話をお伺いしました。皆様お疲れ様でした! その後は講師と共に有志で交流会を楽しみました。

 

4月23日 午前・講義「山の歩き方入門a」 午後・講義「東京から行ける近場の山々の魅力」
講師:山口 章 氏 日本アウトドアジャーナリスト協会 常務理事/「山と渓谷」元編集長
山々で新緑が萌え出すゴールデンウィークを前に、午前は山の歩き方の基本として、計画の立て方、服装や靴、歩き方の基本などについて、ベテラン山岳ガイドの講師から学びました。午後は週末や連休に東京から日帰りや1泊2日程度で登れる山々について、講師のご経験をもとに雑誌やサイトでは紹介されていない情報を含め、たくさん紹介して頂きました。そして次回の講座では、みんなで新緑の高尾山の登山に挑戦します!

4月11日 午前・午後 フィールドワーク「はけの道小金井から野川公園を歩く」
講師:川上典子 氏 NACS-J自然観察指導員東京連絡会(NACOT)代表
この日は東京ネイチャーアカデミーの真骨頂ともいえるフィールドワークの第1弾。多摩川の支流「野川」沿いに広がる「国分寺崖線」を歩いて、今でも雑木林が広がり各所で水が湧く豊かな環境の中で、様々な動植物を観察しました。春本番の陽光の下、武蔵小金井駅から野川公園の間で、春の草花や雑木林の芽吹き、動き始めた虫たちなど、たくさんの春の一コマと出会えました。


4月1日 午後・講義「自然体験と環境教育」

講師:阿部 治 (公財)日本環境教育フォーラム理事長/立教大学名誉教授
午前の開校式に続いて、午後は主催者の理事長による講座です。なぜ環境教育に取り組むのか、自然と人間のかかわりはどうなっているのか、なぜ自然体験が特に子供たちにとって大切なのかについて、長年の実践と研究をもとにした講師の話に興味深く耳を傾けていました。講座の最後では、持続可能な社会を築くためにはどうすれば良いのかなど、受講生からもご意見を頂いてディスカッションするひと時となりました。

4月1日 午前「開校式/自己紹介ワークショップ」
ファシリテーター:川嶋 直 氏 (公財)日本環境教育フォーラム主席研究員/前理事長
「東京ネイチャーアカデミー2024」(TNA2024)は、25名の受講生の皆様とともに本日スタートしました! 主催者JEEFの活動紹介、TNA2024のカリキュラムの説明の後は、川嶋さんのファシリテーターのもとKP法(紙芝居プレゼンテーション)を用いて、受講生25名同志が自己紹介しあうワークショップを開催。「自然観察が好き」「山登りが好き」「とにかく体を動かしたい」「環境問題に興味がある」「友達を作りたい」等、25名それぞれの思いを、皆さんで楽しく分かちあうひと時となりました。来年3月までの1年間の講座に、ワクワク・ドキドキ期待に胸を膨らませる開校式となりました。


 

 

 

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