現在、トヨタ環境活動助成プログラムの助成支援を受け、2013年1月からバングラデシュにおけるシュンドルボン(世界自然遺産、ラムサール条約登録)をテーマとした生物多様性保全の教材開発と小学生(3,4,5年生)を対象とした人材育成を行政と市民の各レベルにて実施してきました。今回は、2018年1~6月までの半年間の活動について報告します。
行政レベルでの活動
2018年4月13日には、生物多様性保全委員会のメンバー等、計21人がダッカに集まり、セミナーを開催しました。全ての委員からは、開発した教材が国の補助教材として認可されることに対し、賛同する声を頂きました。
2018年5月26日、クルナ市の「Khulna press club」にて30名のジャーナリストと生物多様性保全委員会メンバー12人の計42人が集まり、生物多様性保全の意見交換会を開催しました。ジャーナリストからは、開発された生物多様性保全の教材が国の補助教材として認可され、バングラデシュ全国の小学校へ導入されることの有益性に関する意見が多くだされました。
本事業での重要な機関である教育省初等教育局や教育省国家教科課程教科書(NCTB: National Curriculum Text Book)とは定期的に会議を行い、公立小学校における補助教材としての導入にかなり前向きな意見をもらうことができました。
市民レベルでの活動
小学82校の生物多様性保全クラブの協力の下、各学校82の村落を対象に教員、保護者と一緒に開発された教材を活用しながら「子ども生物多様性保全フォーラム」を開催しました。フォーラムでは、なぜ生物多様性の保全が重要なのか、自分の地域や身の回りの生き物と自分たちの生活とのつながり等について考えを深めました。また、開発された教材を同国の公式な初等教育課程へ導入することに賛同した署名をつけた推薦書を作成し、地方自治体の政府へ提出しました。
今後の半年間は、教育省の教育大臣へ教材の提出を行い、国の補助教材として認可されるよう一つずつ作業を進めていきます。
文責: 国際事業部 佐藤 秀樹