8月3日(水)〜6日(土)の3泊4日で高校生対象の環境教育プログラム「日本の環境を守る若武者育成塾」の合宿を開催しました。今年で11期を迎える「若武者育成塾」は、地域の環境問題解決のために自ら学び、計画し、行動できる高校生の育成を目指し、アサヒビール(株)と共催して行っています。
合宿には全国47チームから論文・動画の審査を乗り越えた7チーム、19名の高校生と各校の先生の他、各校に1人ずつアサヒグループ社員さんからチーム・アシスタント(TA)として参加して頂きました。
合宿は神奈川県の南足柄市、小田原市、葉山町(三浦郡)と広い地域にわたって行われました。
テーマは神奈川県の公害・環境問題の過去と今を知り、相模湾を取り巻く地域における「自然の恩恵」と「地域に根差した環境保全の知恵」を体験を通して学び、「自然」と「人の暮らし」のバランスについて考えることです。講義の他にもアサヒビールの工場見学や間伐体験、磯観察などがあり高校生たちは驚き、楽しみ、深く考えながら合宿で環境問題についてしっかり学ぶ4日間となりました。
【1日目】
1日目から、神奈川県環境科学センターから環境問題のこれまでとこれからについての講義と湘南国際村めぐりの森に移動しての自然観察、夜にはアサヒビール社会環境部から社内取り組みについての講義、用意してきた模造紙を使って高校紹介の発表会と、大きく4つプログラムが組まれ、盛りだくさんの合宿が始まります。
南は鹿児島から北は宮城県まで長距離移動を経て合宿に参加するため、疲れているかな…?と心配もしましたが、さすがの高校生、1日目をめいっぱい楽しんでくれました!
めぐりの森は、かつて宅地開発が行われ、半分がはげ山となっていた森。現在は企業・県・NPOなどが協力して管理や環境教育を行っています。やはり、聞くのと実際に見るのでは大違い。所狭しと並び、細くなってしまった木々を見ると「雄大な自然」とは対極にあるものを感じてしまいます。
振り返りではツイッターをもじってwakatterを使います。
今日分かったこと、感じた事を各々付箋に書いて時系列順に模造紙に貼っていきシェアします。間伐と、外来種の事など具体的な学びの他に、実際に感じた葉の冷たさなど森で感じたことが出されて五感を使った学びとなりました。
【2日目】
2日目はアサヒビールの神奈川工場・ビオトープの見学とおだわら峯自然園での間伐体験です。
工場見学では普段は公開されない工場の奥も見せていただき、ろ過前の黄金色のビールが管を流れる様子などを見学しました。ビオトープではアサヒビールの社員さんの他に、地域のボランティアの方や県立足柄高校の生物部の生徒さんに案内して頂きました。ビオトープには様々な種類のトンボが飛び交い、豊かな自然が形作られていました。
そして午後には間伐体験。のこぎりを使うのが初めての高校生もいたようで、苦戦の様子が見られましたがチームで支え合って木を切ります。見ていて感心するほど教えられたことを素直に飲み込み、上手に倒せた班もありました。倒せた後は、みんな笑顔&ハイタッチで喜びます。私も高校生と一緒になって汗をかいて枝落としなど手伝いましたが、のこぎりをつかうと木を一本切り出すためだけにこんなに大変なのかと思いました。
その後、丸太に座って間伐や獣害について学びました。一番重要だと感じたのは『先生に言われたことを覚えるだけでなく、自分で「なんでだろう?」と考えて、科学的な物語を作る』ということ。知識だけでなく、その向こうにあるものを想像し、自ら学びを深めることや行動していくことの大切さ、それは合宿の中で多くの人から出た言葉でした。
※Part II に続く。
(JEEFインターン生 東京学芸大学 加藤 麦穂)