外務省日本NGO連携無償資金協力の支援を受け実施してきた「バングラデシュ・シュンドルボンの天然蜂蜜採取支援」の事業も3年目となり、残り半年程となりました。
本事業は、バングラデシュ国クルナ管区のスンダルバンス地域周辺の天然蜂蜜採取人協同組合(50世帯)を対象とし、同地域沿岸流域の森や生物多様性を守りながら天然蜂蜜収集量を増加させ、蜂蜜の保存、加工技術の習得や蜂蜜製品の販売促進のための流通網を開発して、蜂蜜採取人の持続的な生計向上を図ること目標としています。
今回の事業期間(2018年2~7月)では、主に下記の活動を実施しました。
- 天然蜂蜜採取人協同組合のホームページを開設し、バングラデシュ国内での広報を図ると共に、ウエブを通じての蜂蜜販売を開始しました。ホームページアドレス: http://sundarbanshoneybd.com/
- 2018年2月18~19日首都ダッカの「国家蜂蜜フェア(National Bee Fair 2018)」やクルナの「協同組合フェア」に天然蜂蜜商品を出展し、一般市民や関係者への広報を展開しました。
- 天然蜂蜜採取人協同組合の事務所・作業場兼倉庫の増築を行いました。
- 零細蜂蜜採取人50世帯(100人: 男性50人、女性50人)で構成される天然蜂蜜採取人協同組合の蜂蜜収集量(4~5月の2カ月間: 政府によって決められた採取期間)は、天然蜂蜜採取人自らが講師を務める普及啓発研修で確認・習得した蜂蜜採取の技能定着や、天然蜂蜜採取の戦略策定、そして組合員のチームワークが強化されたことにより、前年(第2期事業)よりも5%増加しました。これで事業開始前と比べ、目標としていた15%の蜂蜜採取量の増加を達成しました。
- バングラデシュ国内にて、天然蜂蜜採取人協同組合による商品販売可能な場所が、現時点で28箇所設置(市場、スーパーマーケット、ホテル、鉄道駅、空港、ツーリズムスポット等)することができました。2年次事業と併せ、50箇所の販売拠点をつくることができました。
今後は、主に天然蜂蜜商品のマーケティングの定着、ビジネスモデル確立へ向けたフォーラムの開催、ビジネスプランの作成や植林による環境教育等を実施していきます。そして、天然蜂蜜採取人協同組合(50世帯)が自立して、シュンドルボンの天然蜂蜜ビジネスを促進していけるよう、力を注いでいきたいと思います。
文責: 国際事業部 佐藤 秀樹