事務局日誌 Blog

「市民のための環境公開講座2018」PART2終了! 2018.12.05

CSOラーニング生としてJEEFでインターンをさせてもらっている元安です!

「市民のための環境公開講座 2018」PART2~消費とごみの問題から環境を考える~が終了いたしました。この講座を聞いて私が感じたこと、考えたことを書いていきたいと思います。

 

 今、世界の緊急課題として貧困、人権、気候変動の3つが挙げられます。この3つの課題は学べば学ぶほど深刻で複雑で、本当に解決することができるのかとても暗い気持ちになりました。ですが、私の生活が原因の一部になっているのであれば、私の生活を変えれば少しは犠牲が減るかもしれません。PART2の講座では、消費とごみの問題と私たちの暮らしが大きく関わっているテーマです。私たちはどう暮らしを変えていけばいいか考えるきっかけ作りのため井出留美氏、長井一浩氏、高野孝子氏をお呼びいたしました。

 

「無意識に行っている食品ロス」

 昨年の2月に話題となった恵方巻き大量廃棄。私はそのニュースから食品ロスという言葉を知りました。日本は毎年646万トンも食べられる食料を捨てているそうです。この量は東京都民の食事量と一緒。また食糧援助量の2倍の量です。この日本の食品ロスはほとんど事業者から出していると思っていました。実は646万トンのうち289万トンは家庭から出されているそうです。

 世界には、お腹が空いたよと泣いて訴える子どもと、ただあやすことしかできないお母さん、お父さんがいます。この様に食料不足で苦しんでいる8億1,500万人(世界人口の9人に1人)がいるのに、私たち日本はもったいないことをしているのだろうと思いました。

 

 

「身の回りのものから…」

 羽毛布団、洋服などに使われている“羽毛”。普段何気なく使っていますが、羽毛の裏側にある背景・問題を全く知らなかったし、気にしてもいませんでした。

『寒い地方の大陸で富裕層が増え、羽毛の需要が拡大。供給が追い付かず、悪質な羽毛が増加。そしてゴミとなり燃やす時、大量の二酸化炭素を排出している。』

 誰も気にしなかった部分に長井氏は気付き、アイデアが生まれ凄いなと思いました。身近にはものが溢れているけど、どう作り、どこからきているのかほとんど知りません。知らないと気付くこともできない。もっと身の回りのことに興味を持つことで、アイデアが生まれ、素敵な取組が生まれると思います。

 

 

「仲間を増やすためには…」

 長井氏が進めているGreen Down Projectは、今まで関わりのなかった分野を巻き込み仲間を増やして、循環が継続するようにしている。では仲間を増やすためにはどうしたらいいのでしょうか。まず、長井氏の考えるコミュニケーションは相手を自分の望む行動をさせること、だそうです。相手を動かすには、相手を知り、理解・共感を得て、行動に繋げていくことが重要です。

 また外部の人を導入できる体制をいかにつくれるかも課題になります。身近だけで仲間を作らず、自分の範囲外の人と仲間になることが大切です。そうすることで新たな付加価値を創造することができます。

コミュニケーションとは、相手と話すだけじゃなく、相手を動かすという一歩前の考えはなるほど!と思いました。

 

 

「便利なプラスチックの裏側」

 高野氏の講座中で『プラスチックの海』という動画を観ました。プラスチックはどの生物も分解が出来ず、細かくなってもなくなることがありません。つまり一度作られたら何らかの形で海に陸に存在し続けています。そして餌と間違え食べてしまい、胃がプラスチックで一杯になり死んでしまう生物が増加しているそうです。動画内では死んでしまった渡り鳥の胃の中を写していました。色とりどりで大小様々なプラスチックがぎゅうぎゅうに詰まっていて、苦しさが伝わってきました。便利で使うのが当たり前になっているプラスチックがこんなに生物を苦しめているなんて、ショックでした。

 現在、世界規模で問題となっているプラゴミを減らすため、海外ではたくさんの対策が行われています。日本ではレジ袋有料化を進めながらも、一人あたりの包装容器のプラゴミ排出量は二位と残念な結果がでていました。また時代の流れに逆らい、日本の企業からはペットボトル入りのコーヒーやノンアルコールビールが発売されています。企業は消費者に需要があるものを売り出している、なら私達消費者が意識を変えていかないといけません。

 

 3人のお話を聞いて、私は自分の身の回りに対する興味のなさが恥ずかしかったです。食べ物、羽毛、プラスチック製品はすべて身近にあって毎日目にするものなのに、それらの背景や問題を全然知りませんでした。自分には不利益がなく、その仕組み・ものが当たり前で興味が湧かなかったのだと思います。その裏側を知ると、今までの自分の常識が世界のある子どもを泣かしている、動物を苦しめていることがわかりました。持ち歩きが便利だからと買ったペットボトルが、回収されずマイクロプラスチックとなって、魚の胃の中に入っているかもしれない。食べきれなくて捨てたごはんは、誰かが食べたくても食べられないご飯だったはず。安かったダウンジャケットは、痛いと逃げ回っているアヒルを捕まえむしり取ったものなの?自分の1つ1つの行動を思い出し、背景を考えると怖くなってきました。知らなかったとはいえ、自分の行動は見直さなければならないものばかりです。

 日本の豊かな暮らしは、多くの貧困と気候変動をもとに成り立っています。私たちには商品を自由に選んで買う権利があると同時に、選んだ責任もあります。自分には関係ない、行動したって変わらないと目を背けるのではなく、現状を知り、生活の中の少しだけでも変えていかなければと思いました。

 

 大量消費を見直し、素敵な行動を行っている企業がたくさん存在しています。その企業を選ぶだけで、この現状が変わる糸口になるはずです。今からプラスチック製品を買わない!というのは難しいので、私は簡単にできることから始めています。例えば、ドリンクバーのストローは使わない、賞味期限が2,3日過ぎた未開封のお菓子もすぐ捨てるのではなく中身の状態を確認してみるなど。そして周りの友達、家族に問題を話し、一緒に実践してもらうようにしています。私たちの意識が変われば、需要も変わり、企業そして社会が変化するはずです。

皆さんも明日の買い物で、気にしてみませんか?

 

▼参考文献
 World Food Programme 公式HP

▼「市民のための環境公開講座2018」PART2の詳しいレポート

 

 

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