JEEFインターン生の小林海瑠です。先日、千葉県・南房総市の南房総国立公園で開催された「教職員等環境教育・学習推進リーダー養成研修 プログラム・デザイン・コース」に参加してきました。
今回の事業者であるNPO法人千葉自然学校は、千葉県立大房岬自然公園の管理や南房総市大房岬自然の家の運営を行い、自然体験を通じて千葉県の里山・里海の保全と地域の活性化を推進している団体です。最初の講話では、そのような千葉自然学校の取り組みと南房総の自然環境についてのお話を聞きました。特に、山と海が近いからこそ実現できる自然環境のつながりを重視し、さまざまなプログラムを提供している点が魅力的でした。
午前中は、公園内のサクラの木の養生作業を行いました。多くの人々が訪れる公園内は地面が踏み固められてしまい水の浸透が悪くなってしまうため、このような養生作業をすることで樹木に適切に水分が行き渡り、土中の栄養も増加するとのことでした。土壌に穴を開けてくん炭を流し込み、その上に落ち葉や木の枝を置くといった単純作業でしたが、想像以上に疲れるものでした。また、この作業の効果が出るのは数十年後ということでとても気の遠くなるような時間ではありますが、「その頃の木の周辺はどうなっているんだろう?」という思いを馳せながらの作業も感慨深いものでした。(ちなみに、この作業は養生と呼んでいるそうですがまだいい名前がないようで、センスの良い名前を募集中とのことです。)
午後は、海岸でビーチクリーンを行いました。一見ただゴミを拾うだけの単純作業に見えますが、自然学校の神保さんの海ごみコレクションの話が大変面白いもので、ついゴミ拾い中も何か面白いものが落ちていないか、ワクワクしながらゴミを拾うという少し不思議な時間でした。なかには戦前の骨董品などが流れ着くこともあるようで、メル○リで売ったら3万円を超えた、というロマン溢れる神保さんの武勇伝もありました。
最後の關口先生の講話と振り返りでは、このような自然体験をどのように学校教育に取り入れていくかについて、ディスカッションが行われました。限られた予算や行政ならではの動きにくさなど、公立の学校においてこのようなダイナミックなプログラムの実施に対する障壁とその解決策についてのお話が中心となりました。しかし、当日は学校教員だけでなく、NGO職員や会社員、行政関係者や我々のような学生などの様々な立場の参加者が来ており、多角的な視点でディスカッションが交わされたことで、大変実りある議論となったように思います。
今回のプログラムに参加したことで、南房総の雄大な自然と自然学校の取り組み、学校教育との繋がりについて改めて学ぶことができました。ぜひとも今後の活動に活かしていきたいと思います。
文責:小林海瑠(JEEFラーニング生)