「バングラデシュ・ジョショール県の零細ヤシ砂糖生産者と花卉農家の6次産業化を通じた生計向上プロジェクト」は第1年次が4月末に無事終了し、5月から第2年次がスタートしています。
4月と6月の現地出張でプロジェクトの裨益者のみなさんに1年目の成果についてインタビューを実施してきましたので、現地の声をご紹介します。
●ヤシ砂糖生産グループ(アリフさん)
“研修で衛生的な採取と加工の方法を学んだおかげで、ヤシ砂糖の販売価格がとても高くなりました。農業の収入と合わせたお金で自宅のひさしを設置したり、市場でお茶屋さんを始めたりすることができました。”
市場で販売中のヤシ砂糖商品。地元の素焼き壺を使用したパッケージでブランディング
●花卉生産グループ(マロックさん)
“本事業で提供してもらった資材でミミズコンポストを始めることができました。堆肥の生産にあたっては、スタッフや研修講師に質問することができたので、問題なく行うことができました。これから畑で実際に使用していくので、化学肥料と比較して花の生育の違いを研究していきたいです。”
完成したミミズコンポストの堆肥を手にするマロックさん
●アグロツーリズムグループ(サイフルさん)
“この事業によってアグロツーリズムを知り、旅行者との関わり方や観光農園の作り方・運営の仕方について研修で学びました。ガイド(花の種類や知識、育て方の紹介)も行っています。チケット係や売店の店員として親戚を新たに雇うことができ喜んでいます。”
花農園でのサイフルさん
●手工芸(花卉)生産グループ(ナシナさん)
“相談できる相手ができたのが嬉しいです。メンバーが15人いますが、「1本の枝は折れるが15本なら折れない」ので心強く感じています。これから市場やSNSでのマーケティング、パッケージングについても学びたいです。”
毎月のミーティングを実施する手工芸生産グループの女性たち
●環境教育(アミールくん、小学5年生)
“環境教育の授業で学んだことを活かして、牛糞やコンポストの堆肥を使って自宅の庭でも野菜や花を育てています。また、化学的な殺虫剤ではなくフェロモントラップを使っています。家族や近所の子どもたちも手伝ってくれるので、これからもっといろいろな種類の野菜を育ててみたいです。”
※フェロモントラップ=害虫をおびき寄せて捕獲する装置
外国人に初めて会ったので緊張気味なアミールくん
インタビューを通して裨益者のみなさんから前向きな言葉をたくさん聞くことができ、今後の事業をより良くしていくためのヒントを得ることができました。
今後も引き続き現地の声をお届けしていきます。
▽第1年次事業計画についてはこちらをご覧ください。
https://www.jeef.or.jp/activities/jashore_bangladesh/
文責:大塚美香(事業部第2事業グループ)