第1年次は、カウンターパートや協力団体と連携しながら、在来作物品種の栽培・保存・利用や環境保全型農業を進めるための組織基盤形成、ワークショップや圃場での実践的研修会の開催等、ほぼ計画通りに進めることができました。主な成果は、下記の通りです。
(1)在来品種の栽培・保存・利用に関する一連の流れや堆肥生産を通じた環境保全型農業技術を習得することができ、各プロセスでの作業内容や進め方が明確となった。
(2)行政、農業資材会社、大学教員、NGOや農業者等の様々な関係者と意見交換をしながら進めたことで、様々な立場から在来品種の栽培・保存・利用や環境保全型農業の捉え方について学ぶことができた。
(3)受益者40世帯の中には、自分の農場で在来品種を栽培して自家消費を開始した人もいることから、これは本事業の大きな成果の一つと言える。
今後の課題としては、在来品種の栽培・保存・利用や環境保全型農業は慣行農業と比べると時間や労力が必要となることから、その効率性をできるだけ改善していく必要があります。また、在来品種で栽培した作物の生産量は少ないことや、その価値も市場では大きく認められていないため、マーケティングをどうしていくのかが、経済的な貧困に直面している小規模農業者の生計向上の視点から考えていく必要があります。
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バングラデシュ・シュンドルボン地域におけるコミュニティベース型シードバンクの設立を通じた里山農業保全活動
文責:江戸川大学 社会学部 現代社会学科 専任講師/
日本環境教育フォーラム 客員上席研究員 佐藤 秀樹