RSPNスタッフ、ドライバーのツェリンと、プロジェクトオフィサーのチョキ。美しい雪景色の中、プロジェクト・エリアのハから、首都ティンプーへと戻りました。
皆さん、はじめまして!
今年の2月より、JEEFスタッフとしてブータン王国に駐在しております、松尾茜と申します。
昨年まで実施されていた、ポプジカ谷での“地域に根ざした持続可能な観光開発
(Community Based Sustainable Tourism: 略称CBST)”の成功を受け、今年から、西部ブータンのハ(Haa)県でもCBSTプロジェクトが実施されることになりました。
JEEFの現地パートナーは、ポプジカ谷の事業でも協業の経験があるブータン現地のNGO、王立自然保護協会(Royal Society for Protection of Nature:略称RSPN)。
私はこのRSPNティンプー事務所にて、これから2年間、本プロジェクトに従事します。これから定期的に、プロジェクトの進捗状況やブータンの現場の様子などを、皆さまにお届けしてまいります!
ハ県知事(ゾンダ)との初回打ち合わせ
さて、先日2月12日、ハ県の県知事(ゾンダ)に事業紹介をするため、プロジェクト開始後はじめての現場訪問をしてきました。プレゼンテーションを行ったのは、ポプジカCBST事業の現場担当者でもある、チョキさん。
ポプジカでの経験を活かし、ハでどのようなCBST事業展開を計画しているか、堂々と説明し、県知事や各町のリーダーたちは、熱心に耳を傾けていました。
具体的に、ハでの実施を予定しているCBST事業項目は、以下の通りになります。
- 農家ステイの開発
- ローカルガイドの育成
- 地元の特産物を活用したお土産の開発
- 地元の人々と観光客の交流の場となるコミュニティーセンターの開発
- 地域着地型観光素材の開発
また、今回のプロジェクトでは、ハ県においてCBSTの仕組みを構築するのみならず、開発が遅れている東部を中心に、ブータン全土にCBSTの概念を広めることも、大きな目標のひとつとなっています。ご興味のある方は、チョキさんの行ったプレゼンテーション資料(Community Based Sustainable Tourism in Haa:英文)をご参照ください。
チョキさんが熱心にプレゼンテーションをしていると、窓の外がいつの間にか真っ白に!
この日はなんと、この冬で一番激しい大雪となりました。
陽気な県知事は、
「プレゼンの最中に雪が降り出すとは、いいサインだ!このプロジェクトはきっと成功する!」
との明るいコメント。
何事も前向きに、ポジティブに解釈するのがブータン人の素敵な特徴。これも「幸せの国」といわれるひとつの所以かもしれませんね。
さて、今週2月19・20日は、ブータン暦のお正月、「ロサ」のため、祝日です。同時に、仏教上の理由から1ヶ月間肉類の売買が禁止となる、「肉無し月」が始まります。続いて2月21日は、第5代国王陛下の35歳の御誕生日。そのため、23日も祝日となり、ブータンでは珍しく、19日から23日までの5連休となります。
次回のレポートでは、今回のプロジェクト・エリアである、ブータン王国 ハ県のご紹介、そして何故ハ県をプロジェクト・エリアとして選定したのか?ということについて、ご説明したいと思います。
どうぞお楽しみに!
文責:JEEFブータン駐在員 松尾 茜