事務局日誌 Blog

「環境問題」をテーマに交流:インドネシア学生の関心とは 2020.11.02

10/8と10/15の2日間、日本のCSOラーニング生とインドネシアのNGOラーニング生の交流企画を開催しました。

当日は、はじめにアイスブレイクとして好きな食べ物をチャットに書き込み、参加者全員で共有しました。インドネシア料理について知っている日本の学生は少なかったのに対して、インドネシアの学生は日本食についてよく知っていました。それは多くのインドネシア学生は、現地の日本食レストランで実際に食べたことがあるからだそうです。

次に、廃棄物問題や生物多様性、森林破壊、パーマカルチャーについて意見交換を行いました。

パーマカルチャーについて、日本国内ではあまり浸透していませんが、インドネシアでは自治体がパーマカルチャーを推進しようと動き始めているようです。

廃棄物問題について、インドネシアでは埋立地が殆ど無くなっているという問題があるため、ある地域では各家庭のごみを集めて有機肥料を作る活動が行われており、ごみをごみとしない考え方も浸透しはじめているそうです。

こうした地域ごとの取り組みは、「Think globally, act locally」という考えを思い起こします。環境問題は大変大きな問題です。そのため、地域の特性を生かし身近な観点から見直すような取り組みは、多くの人が関心を持つきっかけになるはずです。

また、インドネシアのある地域では、Octopusというアプリによる、環境保護とウエイスト・ピッカーらを支える取り組みが行われています。回収してほしいごみがある場合、アプリで近くにいるウエイスト・ピッカーらに連絡できる仕組みになっています。ごみを出す側とごみが欲しい側を繋ぐことでWin-Winの関係が構築されており、環境にも人にも優しいアプリだと言えます。日本でも、mymizuピリカというアプリが開発されているように、IT技術を活用することで解決できる問題は多いのではないでしょうか。

最後には、お互いで質問をしあいました。インドネシアは、パームオイルの生産量が世界トップレベルですが、生産過程では人権問題、労働問題、環境面でも、森林破壊、また生物多様性の損失が問題視されています。日本では加工食品や化粧品、洗剤などに使用されていますが、「植物油」などとして記入されるため認知度が低いのが現状です。

インドネシアの人々の間ではパームオイルはどのように認識されているのかと聞いてみたところ、「多くの人がアブラヤシのプランテーションは環境に悪影響を及ぼしている現状を知ってはいる。ただ、それを仕事としている人もいるなど、多くの問題が絡んでおり、複雑である。」ということでした。また、近年ではアブラヤシの木の下でコーヒーを栽培することで全体として生産量を増やす試みがなされているようです。

インドネシアの環境問題について知り考える機会はこれまでなかったため、今回は同世代の意見を聞けるとても良い機会になりました。現地の事情はネットからの情報よりも、その国で暮らす人から直接聞くことは大事だと感じています。また、他地域と自分の地域や国と比べることによって、自分の考えが深まることを実感しました。住んでいる地域によって問題や現状はもちろん異なりますが、向かう先は同じ「環境問題の解決」です。他地域の取り組みを参考にし、さらには異なる地域や国同士で繋がりを持つことも、社会がより良い方向へ向かうきっかけになるのではないでしょうか。

*当日の様子はSOMPO環境財団ブログにも記載されています。

JEEFインターン生(前川奈々美)

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