事務局日誌 Blog

雑穀の脱穀体験に参加して 2024.10.10

10月6日、山梨県上野原市で雑穀の脱穀体験に参加した。私は農業の盛んなベトナムで生まれたが、雑穀を植えて収穫するという経験はしたことがない。幼少期は田植えと稲刈りしかしたことがなかったので、今回の体験はとても面白かった。

上野原市は山の緑に囲まれた街である。四方津駅に着くと、タクシーで山を登り、脱穀体験の場所へと向かった。収穫された雑穀のたかきびやアワは、縛って高いところに吊るして乾燥させた後、実を分けるために脱穀される。

今回はたかきびの脱穀を体験した。足踏み式脱穀機と手回しの扇風機の2つのシンプルな機械を使って作業を行った。足踏み式脱穀機は、円筒形の胴体にたくさんの歯が取り付けられている。まず、たかきびを3~6本程度を持って処理場に入れ、ペダルを踏んで歯を回転させながら、たかきびを持って実を脱穀する。注意点としては、あまり多くのたかきびの株を同時に持つと、中に巻き取られてしまうことがあるので注意しないといけない。また、脱穀機の歯を反対方向に回転させると、たかきびの実が自分の方に飛んできてしまうので注意することである。

脱穀が終わったら精選のステップである。単純な脱穀作業では、脱穀しきれなかったたかきびの枝や、脱穀中に巻き込まれた葉が残ってしまった。1回目のふるいの後、風力を使って葉っぱや、やや軽い屑実、ゴミなどを取り除く手回しの扇風機にかけた。扇風機の上に乗せた箱に雑穀を入れ、手で回すと、重い穀粒はオペレーターの方に投げ落とされ、残りの軽い穀粒は反対方向に投げ出された。残った軽いゴミは横の清掃シュートから投げ出された。ゴミを吹き飛ばす風の方向は、コントロールバルブを回すことで調整できる。この作業をもう一回繰り返して、穀物を精選できるようにした。この農具は、昔使っていた故郷の籾の脱穀機に似ている。足踏み式脱穀機はなかなか楽しかった。また、精選するときは、なぜかかなり集中するので、これも面白かった。

脱穀体験の後は、たかきびの栽培場所に案内され、収穫体験した。倒れて種が赤くなった実のたかきび株を収穫した。そして収穫された株は、葉を編み込んでX字型に結ばれた。その日、たかきび畑にイノシシの足跡があった。イノシシに穀物を食べられないようにするため、すべての穀物畑には電線が張られている。穀物収穫の現場では、山々の美しい景色を眺めることもできた。担当の方も天気が良ければ富士山が見えると言っていた。しかし、この日は曇っていて、富士山を見ることができなかったのは少し残念だった。

また、皆と一緒に枝豆を収穫し、収穫物をプレゼントしていただいた。子どもの頃、兄と一緒に枝豆収穫を手伝っていたことを思い出した。

険しく不便な山間部の地形もあり、ここでの農業も多くの困難に直面していると思う。住民の方からお話を伺ったことで、高齢化も進んでおり、若者の多くは東京に出稼ぎに行くことがわかる。そのため、耕作放棄地での穀物栽培をどう維持・拡大していくかは、この地が抱える問題であろう。しかし、雑穀は他の作物に比べて気候変動に強く、干ばつにも強く、栄養価も高い。そのため、ここで作付面積を増やすことができれば素晴らしいことである。このような興味深い経験を多くの人、特に若い人たちに経験してもらい、生産される穀物に対する理解と評価を深めてもらいたいと思っている。

文責:グエン・ティ・タン・ホン(JAL財団インターン生)

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