機関誌「地球のこども」 Child of the earth

考えるっておもしろいかも!?最終回 “間違い”とは何か? 2015.02.25

『私は実験において失敗など一度たりともしていない。これでは電球は光らないという発見を、いままでに20,000回してきたのだ。』

これは彼の有名な発明家トーマス・エジソンの言葉です。この言葉を聞くと、失敗や間違いとは何なのだろうと改めて考えてしまいます。自分の思い描いていた通りにならなかったことが「間違い」でしょうか? おそらく違うでしょう。「間違い」を決めるのは、自分以外の誰か(親や先生や世間一般の「常識」)だと僕は思います。自分のことだけで考えれば、予想外の新しい結果に出会えたことは嬉しい「発見」ではないでしょうか。

ワークショップをしていると、子どもたちの豊かな発想や創造的なアイディアに出会うことがよくあります。そういったアイディアは、大人たちが想定した枠組みの外側からやってくるのです。それは、指導者からすると扱うのが難しいときもあります(正直、僕もどう扱ってよいか悩まされることがあります…)。

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GEMSでは、子どもたちの「想像力」と「創造力」のどちらも大切にしています。新しいものを生み出す(創造)するためには、いろいろなことを柔軟に考える(想像)ことを普段から行っている必要があります。子どもたちがGEMSをやっているところを見た大人は、その発想の豊かさに、よく驚かされます。むちゃくちゃなアイディアもたくさんありますが(笑)でもそれでいいのです。そんな空想から生まれたものが私たちの社会を発展させてきたのですから。大人はよく「頭を使いなさい」と言いますが、楽しいことをいっぱい考えるのだって頭を使うことに変わりはありません。

GEMとは英語で「宝石」を意味します。子どもたちの中に眠る原石は一人一人違います。「答えが一つでない」というGEMSのプログラムは、子どもたちに「自分らしくある」ということを教えてくれているように思うのです。子どもたちが「考えるっておもしろいかも」と感じられるということは、子どもたち自身が自分の可能性を発見し、広げていくことなのかもしれませんね。

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鴨川 光(かもがわ ひかる)

1987年茨城県生まれ。ジャパンGEMSセンター研究員。 早稲田大学大学院教育学研究科修了後、2013年6月より現職。子どもの思考力や社会性の発達について研究している。ワークショップやボランティアを通して子どもたちと一緒に成長中。

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