文:本田 恭子(とやまエコひろば)
今年5月、G7伊勢志摩サミットに先んじて富山市で開催された、環境大臣会合に日程を合わせ、14・15日の2日間に渡り「アースデイとやま2016」を開催しました。1日目の「環境市民フォーラム」では、アーサー・ビナードさんの講演や「汚染」「生物多様性」」「気候変動とエネルギー」「開発と暮らし」をテーマにした4つの分科会を通して、約200人の参加者が熱く意見を出し合い、市民のことばとして「環境市民宣言」にまとめました。
この宣言はその日のうちに日本政府に渡り、G7各国に届けられました。2日目は「アースデイ・フェスティバル」。 数千人の市民とともに、環境に配慮する暮らしの豊かさを楽しみました。この機会を通して、実行委員や参加団体が大きく成長できたことを、うれしく思っています。
施設なし、法人化なしで身軽にフリーに
環境教育は元々ソフト事業です。拠点となるフィールドがなくても、熱意と基本的なスキルを持った人たちがネットワークできれば、さまざまな事業活動を行うことが可能です。私たちは、アメーバのような存在として、富山県内を中心に活動を続けています。時には専門家を講師に招き、時には地元の人たちとじっくり付き合いながら、団体や自治体と一緒に、環境教育を進めてきました。
数年前からは、動物園や企業、複数の活動団体と協働して、里山や水辺の希少生物を守る親子活動も行っています。活動の中で、わたしがいつも心掛けてきたことは2つ。
- 先走りせず、押し付けず、引き出すこと。気づきや自己決定を待つ。
- 人間も自然の一部、つながりの中で生きているという発見と自覚を促すこと
「環境市民宣言」の具体化へ実体験・実践へのシフト
地球温暖化や生物多様性にとどまらず、開発や貧困、人権といった側面からも、わたしたちの暮らしや社会のしくみを見直そうと、アースデイの取組みにも力を注いでいきます。「体験から気づく」だけでなく「実践から学び取る」環境教育へ、ESDをふくめ、「環境市民宣言」の具体化をめざし、活動の幅は今後ますます広がっていくことでしょう。
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