【事業名】バングラデシュ・スンダルバンスの里海保全アクションプラン創出とそのモデルケース構築事業
【実施期間】2016年10月1日~2018年9月30日
【実施地】バングラデシュ・クルナ管区 スンダルバンス
【資金提供】里山保全支援メカニズム(SDM)
【パートナー団体】 バングラデシュ環境開発協会(BEDS)
スンダルバンスは、世界最大のデルタ地帯とマングローブ林から成り、数多くの希少種及び絶滅危惧種の野生動物(ベンガルトラ、イリエワニ、ガンジスイルカ等)が生息し、国内外の生物多様性保全の重要な地域の一つです。
地域の主要産業の一つは漁業で、約320万人の住民がスンダルバンスの自然と共生した生活を送っています。しかし、マングローブ林は人為的伐採が主な要因で毎年減少しているのが現状です。その背景には、次の理由が挙げられます。
- スンダルバンスの里海保全・管理のための適切なアクションプランがない
- 貧困度が高く、開発と自然環境保全との両立を図るための意識が低い
- 地域の伝統文化・習慣が失われている
これらの課題解決のためには、地域住民の視点に立った協働管理型の里海保全ガイドラインを作成し、地域を個別に支援しているバングラデシュ政府、国際機関、国内外のNGO、大学や地域住民をつなぐプラットフォームを構築する必要があります。
この事業では、スンダルバンスの持つ地域性を尊重しながら、地域の里海エコシステムを適切に且つ持続的に保全・利用するため、次の活動を実施します。
- スンダルバンスで活動している関係団体や地域住民(漁師)が集まり、フォーラムを開催してお互いの活動内容を共有し、協働管理型の里海保全ガイドライン、アクションプランの作成や相互ネットワークを構築する。
- スンダルバンス沿岸流域を守るためのマングローブ植林(5000本)や、地域の自然と日常生活との関連性を理解するための環境教育を実施する。
- 漁師100世帯を対象とし、伝統的なマングローブエビの乾燥加工技術(KHOTI)の習得やその販売による生計向上を図る。
スンダルバンス里海保全の協働管理型の仕組みを構築し、今後、効果的で効率的な支援および地域での活動を進めていきたいと思います。
文責:文責:佐藤秀樹(国際事業部チーフコンサルタント)
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