機関誌「地球のこども」 Child of the earth

第5回南アジア廃棄物管理国際会議「Waste Safe 2017」に参加してきました 2017.06.20

【事業名】第5回南アジア廃棄物管理国際会議「Waste Safe 2017」
【実施期間】2017年2月25日~27日
【実施地】バングラデシュ・クルナ市
【主催】クルナ科学技術大学等

文:佐藤秀樹(国際事業部チーフコンサルタント)

南アジア諸国では、都市化や工業化により、ごみが増加し、その処理方法に苦悩しています。ごみ処理問題の現状や解決へ向けた知見の共有と意見交換を行うため、バングラデシュをはじめ、イタリア、インド、ネパール、韓国、日本等の廃棄物に関わる研究者、専門家が集まりました。

本国際会議は2009年からスタートし、2011、2013、2015年と行われてきました。

今年の会議における全体のテーマは、「ごみ、排泄物やその排泄物処理のマネジメント」に関するもので、102の個別発表が各会場に分かれて行われました(10分/発表)。個別発表のテーマとして多く見受けられたのは、ごみのリサイクルや焼却、し尿処理、医療ごみ、バイオガス等、技術的なテーマに特化したものでした。

JEEFのこれまでの取り組み・成果を発表

私は、2015年10月からクルナ市で実施しているウエイスト・ピッカー(有価廃棄物回収人)支援事業について、現地協働団体のバングラデシュ環境開発協会と一緒に発表を行いました。

クルナ市でごみ拾いをするウエイスト・ピッカー40世帯を対象とし、「協同組合の結成」「労働環境改善のための衛生教育の教材開発と研修会の開催」「識字教育」「ラッシャイ市へのスタディツアー」や今後の事業計画(「ウエイスト・ピッカーと地域の学校、住民等を巻込んだ環境教育の実施」「生計向上へ向けた廃棄物ビジネスパイロット事業」)等について実践的な取組みの紹介を行いました。

私たちの発表では、20名程度の聴衆者が参加しました。

発表の様子

ごみ教育の視点やウエイスト・ピッカーを重視した私たちの廃棄物管理改善の発表は、技術的なテーマが多い発表の中で、少し異質のようにも感じられました。しかし衛生環境の良くないごみ集積場で働き、社会的に脆弱な立場にありながら、地域のごみを分別・回収して環境保全に貢献しているウエイスト・ピッカーの役割は大きいと思います。今後も、会議や学会等で、廃棄物管理の新しい風を吹き込んでいきたいと考えています。

文責:佐藤秀樹(チーフコンサルタント)

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