文:藤原 誉(田歌舎)
私たちの美山町には、さまざまな団体、個人が、誰でも入り目指すべきエコツーリズムについて協議し合える場(※1)があります。
※1:美山エコツーリズム推進協議会ガイド部会
そこでは今、豊かな自然と共存する暮らしの中にある技、知恵こそが、私たちの伝えたいことであり守りたいことであること。また、その技と知恵のある営みを行う人の姿こそが、都市部やは外国からの訪問者にとって出会いたいシーンであり、魅力ある風景となりうるのだと語り合っています。そうして各団体が工夫を凝らし、素敵なエコツアーが各所、各団体で行われる先進的な地域になってきたと嬉しく感じています。
そんな美山町で田歌舎では「遊・食・住+自然エネルギー自給的暮らしが見えるお店」として、狩猟・採集・農業・建築を軸とした暮らしを実践しながら、さらにレストラン、宿泊施設も備え、多くのお客様に向けてさまざまな自然体験を提供しています。
田歌舎は全ての建物を自分たちで築き、山の水を引き、一年を通じて米その他穀物、野菜、肉、ほとんどの食材を自給自足します。トレッキングやカヌーなどのアウトドア体験以外には、そんな自給的な暮らしの技や知恵に触れる20種類以上にもなる山村体験プログラムを企画、提供しています。
今、都市部に住む子ども達や若者の多くは本物を渇望していると実感しています。テレビの画面越しでなく、柵の向こう側でもなく、自分の手で直に本物に触れる体験こそが衝動、興奮、動揺、畏怖、畏敬、そして感動といった様々な感情を引き起こします。多くの危険も伴う山村で生きる技を、体験を通して伝える事こそが次世代につなげるエコツーリズムだと信じ、活動しています。
- 伝統と自然が息づく国ブータン
- SATOYAMA EXPERIENCEで体感 暮らしを旅するツアー(岐阜県 飛騨地方)
- 自然と共存する技と知恵を伝えるツーリズム(京都府 南丹市美山町)
- 利用者による環境保全のしくみづくり(北海道 大雪山国立公園)
- 普通の里地里山でとっておきのエコツアーを(埼玉県 飯能市)
- 第5回南アジア廃棄物管理国際会議「Waste Safe 2017」に参加してきました
- バングラデシュ全国で生物多様性保全のムーブメントを引き起こす!
- 世界はサステイナブルな観光へ
- 「自然から学ぶ」ことについて もう一度向き合う
- バングラデシュ国内での天然蜂蜜商品の販売促進を目指して
- poco a pocoそして環境教育は続く(エルサルバドル)
- パート2:バングラデシュ現地からの環境レポート第6回 〜SDGsの視点から環境問題解決へ向けて〜
カテゴリー
最新の記事
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。