機関誌「地球のこども」 Child of the earth

地域の課題解決あの人に聞きました!Vol.4「僕も生きたいよ!」この声が届きますように 2019.02.05

文・インタビュアー:中地愛(事業部コーディネーター)

今回のインタビューは
コンパニオンアニマルクラブ
代表
金子理絵さん

JEEFの職員としてSDGsを意識しながら暮らしていると、いろいろなものが見えてきます。私が以前から関心があった殺処分から動物を保護する現場を、JEEF職員として改めて訪れました。

「コンパニオンアニマルクラブ市川」を主宰する金子理絵さんは、千葉県市川市で主に鳥猟犬(銃で狩りをするとき猟師たちと一緒に働く訓練された犬)を中心に保護活動をされています。

これまで保護センターに収容された鳥猟犬は、家庭犬として引き取ってもらえるための再トレーニングの機会を与えられず、すべてセンター内で殺処分される運命でした。

前例のない挑戦「鳥猟犬」を「家庭犬」に

保護センターから保護ボランティアが引き取っていくのは、小・中型犬、若い犬、人懐っこい犬ばかり。絶え間なく収容される鳥猟犬を見た時に、誰も引き取らない犬種を保護してこそ殺処分数が減らせる、と感じた金子さん。センターの職員を熱心に説得しました。

「鳥猟犬は穏やかで明るい犬種で、危険な犬ではありません。家庭犬として暮らせる事を証明します。必ず成功例を作るので私に任せてください!」と。

トレーナー、訓練士と連携しながら訓練の日々が始まりました。問題が起きた時は、その問題に特化するプロから学ぶこと。自分達の考えだけで進めないこと。そして一緒に活動をするボランティアへの教育。これらのことを大切にしながら活動を進めていきました。

日々の訓練の積み重ねにより、「あの犬がこんな風に変わるとは」と、職員を驚かせたほど犬たちの表情が変わっていきました。
また、保護環境、シェルター内外での活動をすべてをウェブに公開。こうして金子さんは、一頭、一頭、鳥猟犬の専門のレスキューを成功させてきました。

保護され訓練を受けたイングリッシュ・セッター。鳥猟犬に限らず、マイクロチップの装着、また首輪に連絡先の札を付けることで迷い犬は飼い主のもとに戻れる確率が高くなります。

人間と動物が幸せに暮らす社会に

  • 安易な繁殖をさせない社会
  • ボランティアの方を、目の前の命をほおっておかない人材に育てる
  • 人生に活かせる経験ができるシェルターにする

30年も前から不妊去勢を呼び掛けて、不幸な命を減らそうと活動されている金子さんの目標です。

委ねられた命を大切にする、優しい心が育つ環境。人も動物も幸せに暮らしていける、そんな社会をつくる責任は、私たちにあるのではないでしょうか。

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