機関誌「地球のこども」 Child of the earth

地域の課題解決あの人に聞きました!Vol.5福岡の海を誇りに ~ダイバーが取り組む環境教育・ESD~ 2019.04.03

文・インタビュアー:小堀武信(事業部主任コーディネーター)

今回のインタビューは
(一社)ふくおかFUN 代表
大神 弘太朗さん

私が福岡県で社員研修の企画をした時に出会った、ふくおかFUN代表の大神弘太朗さんは、「自然伝承」を理念に団体を立ち上げ、ダイバー40人と一緒に活動しています。

海の真実をみんなに伝えたい

大神さんの目に映る、博多近郊の人々が持つ福岡の海の印象は、あまり良くありません。そのイメージは、薄汚れ生活ごみが沈んでいる姿。しかし海に潜ると、多種多様な生きものの姿が見られます。

大神さんは「ダイバーは、水中の写真や動画など多くのコンテンツを持っています。それを社会に発信していけば、たくさんの方が、普段は目にできない海の中の素晴らしさに気づくことができます。いつかみんなが福岡の海のファンになってくれたら」と、夢を語ってくださいました。

活動の原点は人との出会い

大学の長期休暇を利用し、沖縄でダイビングの修行をしていた大神さん。そこで出会った人々の、自然を守ろうとする思いや努力、自分から発信する勇気に触れ「周りに自然を伝えたい」と思うようになりました。

その4年後、世界を一人で旅する中、トンガ王国で東日本大震災を知りました。「僕の生まれた国が大変だと多くの人が寄付してくれました。

現地の人々の月収は約2千円。それでも中には百円も寄付してくれた人がいたのです。私はすぐに帰国し、東北の支援に関わりました。そして考えたのです。

これまで誰もやったことのない、ダイバーによる社会課題解決に自分が取り組んでみよう」と。それが、ふくおかFUNの原点です。

みんなが利益を得る社会に向けて

水産資源、マイクロプラスチック等、海の環境を巡る報道が増えてきました。「海の社会課題を解決する」と言ってもダイバー、漁師、行政、産業、市民は各々目指すものが違います。大神さんは語ります。

「時間はかかるかもしれませんが課題を可視化し、解決に向けた議論が重要です。そのためには、つなぎ役のファシリテート役が大切だと考えます」と。

相手の立場や思いを知り尊ぶ。そして地域の多様な主体が対話しお互いを認め合う。ふくおかFUNの活動には、環境教育・ESDの姿を感じます。

福岡・博多湾の環境保全に取り組み多様な主体。ふくおかFUNもダイバーの立場から携わっている。

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