文:川瀬 雅子
連載の最後は、下記プロフィール欄にある書籍で扱っている日能研の社内研修(ファシリテーター・トレーナーズ・トレーニング)で行った、スキルの道具箱づくりをご紹介します。
個性あふれる道具箱
「日能研ファシリテーションの道具箱」は、日能研の社内公認ファシリテーター達(40人ほど)が大小様々なファシリテーションに関する技を、技ひとつにつきA4用紙1枚の紙に書いてまとめたものです。
技といっても様々で、例えば「グループサイズ」のような一般的なものから、「ネガティブサインを見つける」「ものわかり良すぎない」のように、扱う内容は様々です。
その時それを書こうとした社員が「これだ!」と思うものが道具箱に納められているので、よく言えば個性的、実は品質はバラバラです(笑)。そして技が網羅されているわけでもない。おまけにあえて手書きのままと、これだけ聞くと見栄えがしないものであることは察しがつきますね。数だけは70ほどありますが。(下記本には道具箱のタイトルのみ全て掲載しました。)この道具箱は、作りあげるプロセス(過程)に多くの学びがありました。
自分達で「見える化」する
道具箱というからには、道具として他の人の使いやすさも考えたい。取り上げる技を選ぶ→ 場面やねらい・効果について考える→ 読み手に伝わるようわかりやすく書く(図も必ず入れる)ということを作り手は体験します。見える化することで、「何気なくやっている技がはっきりした」「今までよりも技が一般化されて、応用しやすくなった」という点が道具箱の作り手たちにとって大きな収穫でした。
スキルを道具箱化してみよう!
日能研は「社員全員をファシリテーターに」という大きな目標を持っています。この道具箱がそこに近づくための、何らかの役割を果たしているのは確かです。
では皆さんに質問です。日常業務の中で行っていることの中から、道具箱を3つつくるとしたら、どんなスキルを取り上げますか?
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。