文:山口泰昌(JEEF)
佐賀から東京に引っ越し、約1年が経ちました。東京には昔2年程住んだことがあるので、暮らしのギャップにさほど驚きはしませんが、それでも「地元じゃ、あんまり見ないなぁ」と思うものに遭遇します。その代表格が「シェア」です。
次々に生まれるシェアサービス
自動車、充電器、傘などのモノや、オフィスや畑のような空間など、身の回りがシェアでいっぱいです。実は私もシェアハウスに住んでいるのですが、賃貸料が安く(生活用品代、光熱費、インターネット代込みで家賃4万円以下!)、外国人と交流できるなど、シェアの恩恵を受けています。
佐賀では、自動車のシェアは流行っていませんが、別の形のシェアがあります。例えば、畑で採れた野菜や作り過ぎてしまったおかずをご近所でシェアします。「貸す・借りる」とは違った形のシェアですよね。
また、田舎の食品シェアとは違いますが、最近フードシェアリングが注目されています。有料サービスですが、賞味期限が近かったり、余ってしまった料理を通常価格より安く手に入れられます。フードロスは減り、お店にも利益が残るとてもいいサービスだと思います。このように、それぞれの地域やライフスタイルによってシェアの形は様々です。
資源を無駄にしない
都市部でシェアが広まっている理由は、人や店が多く、シェアサービスへのアクセスが容易であることや貸し借りできる資源が溢れており、個人で所有する必要がないことが挙げられます。また、佐賀では、余ったものをシェアすることで、無駄がでないようにするという「もったいない精神」がベースにあります。
「シェア」は一時の流行りのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、都市や田舎に共通する「資源を無駄にしない」と考えは、未来のために、私たちがより意識して生活していかなければならないことだと思います。みなさんの地域ではどんなシェアがありますか? 是非身の回りにあるシェアを有効に活用してみてください。
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。