文:清水 誠二(JEEF)
サスティナブルな自治体ランキング 1位
映画『翔んで埼玉』が大人気となり、一躍脚光を浴びた埼玉県。そんな埼玉に更なる吉報が! 民間調査会社の「市版SDGs調査2020」(※)なるランキングで、川越市が”サスティナブルな自治体ランキング“第1位になりました!!
(※)市版SDGs調査2020
全国の政令指定都市、中核市、県庁所在市の83市を対象に、幸福度・満足度・愛着度・定住意欲度・金融商品への投資経験・SDGs認知度に関する6項目、および市民が感じている悩みや社会課題に関する100項目の計106項目にわたる調査を2019年11月19日から12月23日にかけてインターネット経由で実施。有効回答者数は13,753人(15歳以上の男女)とのこと。
調査では、全回答者の3人に1人が低収入・低賃金への悩みを持ち、取り組むべき社会課題として感じている上位には、1高齢化 2いじめ・校内暴力・学級崩壊 3少子化 4老老介護 5自然災害 が続いていました。
このような中で、市民生活についての評価指標である幸福度、生活の満足度、居住市への愛着度と定住意欲度の4指標の平均点をSDGs指数として算出した結果、83市の中で最もSDGs指数の高かった市が、私の住む「川越市」であったということです! SDGs指数の定義については色々なご意見があるのかと想像しますが、いずれにせよ”一番“というのは嬉しいものですね!!
ちなみに各項目では、幸福度が1位、生活満足度4位、愛着度10位、定住意欲度13位という結果で、川越在住の回答者の4割近い39.1%が「とても幸せ」と感じているようです。
「トカイナカ」な川越の魅力
公開されている調査概要では、その理由まではわかりませんが、12年川越に住んでいて感じることは、医療機関や学校、保育施設が充実しており、商店や飲食店も豊富。一方で少し足を延ばせば田んぼや畑が広がり名産物も多く、のどかで四季折々の自然の変化を感じることのできる、都会と田舎の中間、いわゆる「トカイナカ」としての機能がうまく回っているなということですね。
蔵造りの町並みや菓子屋横丁などレトロな景観は重んじつつもオシャレさを追求していて、観光客だけでなく地元住民もついついお金を使ってしまう町。また川越まつりを核に様々なお祭りイベントを通じた地域住民や長老との交流、年中何処からともなく聞こえてくる祭囃子の音、各町内にある山車(だし)への愛着など、日々の生活に飽きることのない楽しい町なのです。
小さなサスティナブルのカケラ
シェアリングエコノミー
3、4月号で取り上げたシェアリングエコノミーですが、川越でも市民や観光客に「つくる責任、つかう責任」を意識させる取り組みが行われています。
傘:西武新宿線「本川越」駅には、傘のシェアリングサービス「アイカサ」があるので、急な雨に降られても大丈夫です!
自転車:天気が悪いときは「アイカサ」を、そして天気が良ければ「川越市自転車シェアリング」を活用して蔵の町観光をしてみて下さい。川越は意外と歩く距離が多く、自転車があれば快適です。
「もったいない」から生まれた 世界初の醸造技術
COEDOビール:1日観光して、乾いた喉をうるおすには、やっぱりCOEDOビールですね。川越の名産といえばサツマイモ。そのサツマイモを原料に醸造された世界初のビールが、写真の赤ラベル「紅赤 -Beniaka-」です。
開発の根源にあった課題は、サイズや形などの理由で規格外品となり、売り物にならず大量廃棄されてしまうサツマイモを有効利用するということ。クラフトビール醸造会社と契約農家さんとのコラボレーションが生み出した逸品です。規格外品のサツマイモが、地元農家さんたちにとって大事な収益源となっています。
370年の時代を超えて
小江戸・川越は言わずと知れた観光の街。今、新型コロナウイルス感染防止のために様々なイベントが中止になっていて、私たちも何かと自粛ムードで笑いが少なくなっています。1日も早い終息を願い、10月の第3土・日曜日に開催される370年の歴史をもった「川越まつり」で、”我が新富町一丁目“の「家光の山車」を曳いて、蔵造りの町並みを元気よく練り歩きたいです。ぜひ、川越観光に来てください!!
地球のこどもとは
『地球のこども』は日本環境教育フォーラム(JEEF)が会員の方向けに年6回発行している機関誌です。
私たち人間を含むあらゆる生命が「地球のこども」であるという想いから名づけました。本誌では、JEEFの活動報告を中心に、広く環境の分野で活躍される方のエッセイやインタビュー、自然学校、教育現場からのレポートや、海外の環境教育事情など、環境教育に関する幅広い情報を紹介しています。