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田舎の暮らしは多刀流!!くりこま高原自然学校の百足(ムカデ)経営とwithコロナ 2020.09.28

新型コロナウイルスの影響で多くの団体があり方を模索する中、機会を前向きにとらえていたくりこま高原自然学校。
塚原さんの考える、自然学校の在り方を伺いました。

塚原 俊也(つかはら としや)

1980年2月4日生まれ 40歳。2004年JEEF自然学校指導者養成講座5期生を修了後にOJT先のくりこま高原自然学校に参画。栗駒山域および北上川流域にて子どもから大人を対象に冒険キャンプや週末型森のようちえん、エコツアーなどの企画・運営・指導にあたる。
くりこま高原自然学校

 


キャンプの参加費の半額をお米で支払える物々交換地域通貨米ペイ

 

「人生とは何かを計画しているときに起こる別の出来事」(地球交響曲第3番シリア ハンターの言葉)

くりこま高原自然学校の2020年はコロナウィルスへの対応で始まった。2月に予定していた中国の子どもたちのスノーキャンプの受け入れをどうするのか?結果としては、中止にした。その時点では、新型コロナウィルスの影響がここまで長期化するとは考えてはいなかった。
その後、2月27日の突然の学校休校要請や緊急事態宣言、休業要請など、当団体もかなりの打撃を受けることになった。宮城県内の感染者数などを鑑みながら、どのように自然体験活動を続けるか、いろいろな判断に迫られた。

「奉仕・努力・不屈の精神」(冒険教育の父クルト ハーンの言葉)で前向きに乗り越える

コロナ禍という先が見えない状況でも決してネガティブにならないのが、くりこま高原自然学校の強さである。暮らしに関しては、そもそも3密ではない3疎だったので、これまで通りの暮らしが続けられた。買い物も、現在は宅配サービスが充実しているので、何の問題もなかった。事業については、学校休校中は小中学生向けに「山のホームステイ」を行ったり、スタッフのスキルアップとして林業や登山道整備の仕事に出向いたり、収入を得ながら自然体験活動につながる経験を積んでいる。栗駒山の新たなフィールド開発もできた。

夏休みはメインの子どもキャンプの規模縮小や、冬に続き中国の子どもたちのキャンプを中止にしたが、他の仕事も組み合わせながらなんとか乗り切っている。これは自然学校のある地域やネットワークの強みを活かした百足(ムカデ)暮らし経営のおかげではないかと感じている。
社会が大きく変化するとき、経営を支える事業が直立型の1事業(1本足)に集中していて上に成長していくイメージの事業だと、それが折れた時に一気に倒れて苦しくなってしまう。我々の場合、1事業ごとの売り上げや安定性は大きくないが、小さくても多種多様な仕事や収入源(現金だけでなく物々交換や自給)で地道に地を這いながら横に広がっていると、何かの時には案外しぶといというものである。つまり立ち技でなく“寝技経営”!!そもそも立ってないから倒れないのである。


宮城県船形山で馬搬の手伝いをした時の写真

 

withコロナの時代に向けて

コロナ禍で我々はWEBミーティングやテレワークという新たなツールや生活様式を手に入れた。これまで遠方に行っていた打ち合わせが、山の日常を離れずにできることで移動の経費や拘束時間を節約でき、会議開始直前まで施設の維持や新しいチャレンジに使える時間が増えた。今後はさらに自然の中での暮らしに軸足を置きながら、テレワークやワーケーションなども展開して、農山村の魅力や教育力そして持続可能な暮らしや仕事の場としての可能性を発信していきたい。

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