ブラタモリ竹富島編、ご覧いただけましたか?いかがだったでしょうか?
私、子どもの頃からSFが大好きでした。頭の中は、宇宙、深海、地底、火山、マグマ、巨大隕石でいっぱい。
その延長で理科も高校の授業にその選択がないくらい不人気の地学を独学で勉強し、琉球大学の海洋学科に入り地質学を学びました。
そして卒業。建設コンサルタントの会社に就職し地質調査を仕事にしました。しかし地質を調べた末に出来上がるのはダムや原発。仕事が終わるとその地域の自然は失われてしまいます。どんなに割り切ったつもりで働いていても、やはりどうにも仕事に身が入らないのです。その結果、会社に認められるような成果は上がらず仕舞い。地質で気持ちよく仕事がしたい…。三十代前半で地質調査の仕事を辞めました。
そしてインタープリターの道へ。石垣島でエコツアーを始め、環境教育の仕事も軌道に乗り、コロナ禍もぬいぐるみエコツアーでなんとか乗り切れそうです。でも、私の大好きな地質学と自信を持ってお届けできる技術となったインタープリテーションがなかなか結びつきません。そりゃそうです。多くの人が石垣島に求めるのはサンゴ礁やマングローブですから。
そんなある日「ブラタモリです」という一通のメール。石垣島と竹富島で番組を制作するので協力してほしいとのこと。飛び上がりました。そして泣きました…。
お話をいただいたのは、私が十年ほど前に竹富島のNPOの依頼で作成した島の文化と地質を結び付けたプログラムをディレクターさんがご覧になったからでした。そのストーリーが、今回そのままブラタモリ竹富島編の核になりました。これまでは南の島のイメージでなんとなく来島していた多くの観光客に、放送を通して島の本質を伝えることができる最大の機会をいただけたと思っています。念願だった地質でインタープリテーションするという夢が、一度きりですが最も効果的に発動でき、人生の大きな目的を達成したと思えるエコツアーふくみみ二十周年なのでした。(次回は最終回)