今回が最終回。最後に石垣島などで行っている環境教育のことをちょっとだけ。
私たちがサンゴ礁保全のための環境学習プログラム(サンゴ学習)を開始したのは2003年。総合的な学習の時間が試行され始めたタイミングで、環境省業務として石垣市内の小学校で最初の一歩を踏み出せました。初めは思い出すのもはずかしい失敗ばかり。それでも試行錯誤を繰り返し予算確保に奔走してこれまで継続してきました。
【サンゴ礁でスノーケリング体験】
科学的知見を盛り込んだオリジナルアクティビティの開発、学校規模や季節に応じたプログラム展開、学習効果を可視化する評価システムの構築、次を担ってもらうための人材育成。関係機関と信頼関係を築きながら活動を絶やさない努力をしてきたつもりです。
【架空の島を舞台に地域開発をめぐって議論】
2021年度は石垣市内と竹富町内の小中学校8校397名の小中学生にサンゴ学習を実施。次年度もお願いします!今年はうちのできませんか?という学校からの声が増えるとともに、石垣市など行政が予算をつけてくれる機会も増えてきました。ありがたいです。国、県、市町村、助成金、そして今後は民間企業や個人からの寄付など、様々な立場の方がサンゴ礁保全のため、子どもたちの環境学習のために支援をする仕組みに育てたいと考えています。
【巨大パズルを完成させたらサンゴ礁】
サンゴ学習は「わくわくサンゴ石垣島」という団体で行っています。どうぞみなさま応援をよろしくお願いします。
エコツアーと環境教育とを20年続けてきて、ただいま私たちは五十代半ば。あともう少しだけこの仕事を続けられそうです。コロナが落ち着いた後に訪れるのはどのような社会なのでしょうか?最近はそんなことをしきりに考えます。
石垣島で暮らし始めたときに1歳だった長男は現在大学生。やがて社会に出ていきます。自分の子の世代が担うであろう新しい時代。それを少しでも希望の感じられる世の中にする後押しができていたのでしたら、私たちの20年も無駄ではなかったのかなと思ったりします。さて、もう少しだけがんばってみましょうか!