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野外フェスティバルは環境教育の新たなフィールド(6) 2023.09.15

4月から、環境教育のフィールドとしての野外フェスティバルについて書いてきました。
最終回の今回は野外フェスティバルに関わりはじめたきっかけをふりかえっていきます。

より多くの人にアプローチを

「自然体験や環境教育に携わる私たちがアプローチできているのはほんの一部の人なんじゃないか。」
野外フェスティバルに関わろうと思ったきっかけは、自分へのこんな問いかけでした。

私が勤務していた高尾ビジターセンターがある高尾山は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に三つ星の観光地として掲載されて以降、たくさんの方が訪れる自然公園です。しかし、ビジターセンターの受付カウンターに座っていると、多くの方はビジターセンターの前を通り過ぎていきます。

そして、入館してプログラムに参加いただく方の多くは植物や生きものが特に好きな方でした。極端に言えば、自然が好きな私たちが、自然を詳しく見るのが好きな方に対して、自然のことを伝えている。その意義を感じる一方で、より多くの人にアプローチができたらなとも思っていました。

そんな想いを抱えて、何か一緒にさせてもらえることはないか、と野外フェスティバル公式ページからメッセージを送ったことが野外フェスティバルに関わる第一歩でした。

野外フェスティバルは楽しい

多くがキャンプ場や海辺など自然へのアクセスが容易な場所で行われ、そこに参加する人も野外で過ごすことに抵抗のない野外フェスティバルは、自然体験や環境教育の裾野を広げるためにはうってつけではないか。野外フェスティバルに関心を持った背景にはこんな期待感がありました。

そして何より重要視していたのは、来場者が楽しむために参加していること。ステージや飲食ブースなど魅力的なコンテンツが並び、ガーランドで装飾された場所はその空間にいること自体が楽しくなります。

自然を詳しく見ることが好きな人でなくても、野外で過ごすことを楽しんで、ついでに自然体験や環境教育にふれられる機会をつくれたらと漠然とした理想を思い描いていたのを今でも覚えています。

今や全国で開催される野外フェスティバルが子どもにとっても、大人にとっても、自然に触れること、自然の中で遊ぶことのきっかけになったら、これほどうれしいことはありません。

このコラムは今回が最終回となります。お付き合いありがとうございました。

村上 友和(むらかみ ともかず)

学生時代は野生動物学を専攻。並行して行っていた自然保護ボランティアで出会ったインタープリターを志す。高尾ビジターセンターでインタープリターとして勤務し、自然体験プログラムの企画や、管理運営計画づくり、人材育成を行う傍ら、野外フェスティバルでの自然体験の場づくりに携わる。

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