会員ページ Member Only

自然学校のスキル紹介〜ロープワークの基本の「き」 2023.12.15

はじめに

自然学校は、生業としてキャンプをしている団体も多いです。私の団体も、キャンプをすることが多いのですが、その中でロープを扱うことが場面として多くあります。キャンプをしない人からすると、必須スキルではないかもしれませんが、できたら便利な技術です。ロープワークなんてやったことがないという人も、靴紐を結んだり、紐を硬く縛ったり、そんな時に実はロープワークを使っています。ここでは、キャンプで使うロープワークについてお伝えしたいと思います。ロープワークの実践は次号でお伝えするので、本号はロープワークの基本の「き」をご紹介します。

ロープの種類

私たちがキャンプでよく使うロープや紐の種類は、いくつかあります。化繊のロープか、天然素材のロープなのか、それによって用途が変わってきます。また、耐水性、耐熱性、耐候性など、ロープの種類によって異なるので、どんなシーンで活用するかによってロープを選ぶ必要があります。ここでは、私がキャンプの時によくつかう種類のロープで実践できるものをお伝えします。

PPロープ
化繊のロープ。市販で売っていてよく見られる。安価で買えるロープ。梱包で使えるロープ。キャンプでも、シートを張るときに利用します。

細挽きロープ
化繊のアウトドア用の細いロープ。アウトドアショップで販売していて、メートル単位で販売をされています。アウトドアでは5メートルくらいのものが複数あると便利です。

ザイル
化繊の登山用のロープ。30メートルや50メートルなどで販売されている。キャンプで扱うものとしては、登山用で扱わなくなったザイルなどを使うことが多いです。

これらのロープは、キャンプのさまざまなシーンで応用されます。常設でずっと使い続けるものではなく、短い日数で扱うときに重宝できるものとして理解をしてください。

ロープワークの種類

ロープワークは、「一度結んだら解けにくいけど、解こうと思ったらほどきやすい。」そんな特徴があります。つまり、適当に結んで解けないというものは、ロープワークとは呼べません。日常で使う、蝶々結びは結んだら解けにくいけど、解こうと思ったらすぐに解けますよね。そんなイメージです。日本語だと、ロープワークは「〇〇結び」や「〇〇縛り」と呼称されますが、英語表記にすると、3つの分類に分けられます。ここでは、ロープワークの3つの名前について紹介します。

ノット

ロープ単体で結ぶ結び方を言います。エイトノットなど。

ヒッチ

他の対象物(木やポール)に絡めて、その双方で機能を果たす結び方を言います。トートラインヒッチなど。

ベント

ロープとロープを繋ぐ結び方を言います。ダブルフィッシャーマンズベントなど。

この三種類があります。場面が見えないと、イメージができないと思うので、ここからはどんな場面で必要になるのかを解説します。

ロープワークがキャンプで必要な場面

ロープワークが出てくる場面は、日差しよけにタープやフライシートを張りたい時、テントを設営してしっかりと固定したいときなど、生活を快適にするための技術として必要とされます。そんなときに必要なロープワークは、以下のようなものがあります。

ポールに輪っかを引っ掛けたい:エイトノット

木やポールにロープを結びつけたい:トートラインヒッチ

ロープの長さが足りなくて繋げ合わせたい:ダブルフィッシャーマンズベント

ロープワークに興味がある方は、ネットでも調べるとたくさん出てくるので、1mくらいのロープを準備して練習をしてみましょう。次号は場面に応じたロープワークの実践を解説します。

 

小澤 潤平(アポロ)

株式会社ノッツ プロデューサー。走林社中共同代表。HAMON編集長。「プレミアムな自然体験」を提供するTokyo Adventure Clubを2022年より発足。2024年3月に子ども向けにヒマラヤトレッキングツアーを計画中。

JEEFメールマガジン「身近メール」

JEEFに関するお知らせやイベント情報、
JEEF会員などからの環境教育に関する情報を
お届けします。

オフィシャルSNSアカウント

JEEFではFacebook、Twitterでも
情報発信を行っています。
ぜひフォローをお願い致します!