事務局日誌 Blog

環境省主催 プログラム・デザイン・コース研修会に参加しました! 2024.10.04

インターンのホンです。9月29日、茂木市のモビリティリゾートもてぎ・ハローウッズで行われた「教職員等環境教育・学習推進リーダー養成研修プログラム・デザイン・コース」の研修会に参加させていただきました。
本研修は、環境省が文部科学省と連携し、ESDに関する質の高い環境教育を学校や地域で実践・推進できるリーダーの育成を目的に開催し、教育関係者、行政関係者、民間企業、NGO/NPO、大学生・大学院生など、環境教育やESD、地域づくり活動に関心のある方を対象として開催されるプログラムです。(JEEFが事務局を担っています。)
今回研修が行われたモビリティリゾートもてぎはHondaによって開設されました。環境教育等促進法により「体験の機会の場」として認定されている場所のひとつで、まさに五感で感じる自然環境について、非常に素晴らしい体験ができる場所です。

まず、参加者全員にハローウッズについて紹介していただきました。それから約1時間30分、森を観察しましたが、ハローウッズは私にとって本当に素晴らしい場所で、自然の生物多様性を実感するとともに、自然とのつながりを感じることができる場所でした。ハローウッズでは通常のウォーキングに加え、緊急事態に対応するため、山頂まで車が走れる道も作られていて、ハローウッズの森に向かう途中には生き物や自然に関する興味深い情報が書かれたボードが設置されています。例えば、ハローウッズの森には7種類ものヤンマがいるということが分かりましたが、担当者によると、ハローウッズには約5,800種の生き物が記録されているそうです。自分の目で見て話を聞くまで、こんなにたくさんの動植物がいるなんて想像もできませんでした。

生き物のすみかをつくる取組

ハローウッズは積極的にさまざまな生き物のすみかを作ろうとしています。ハッチョウトンボ棚田に観察に連れて行ってくれると聞いたときは、ベトナムの山間部の稲作モデルと同じような稲作をする場所なのだろうと思いました。しかし、そこはハローウッズが有害な農薬を使わず、ホタルのような生き物、特にハッチョウトンボのような絶滅危惧の生き物のすみかを作るための場所であることがわかりました。
また、ハローウッズの木の上には、巣として小さな家が作られ、ムササビや鳥が子育てをする場所になっています。丸太を集めているところもよく見かけました。丸太は時間が経つとキノコが生え、それが幼虫の餌になり昆虫が木を食べることなど、自然の生物の密接な絆が見ることができました。
ハローウッズを訪れる子供たちが大好きな生き物であるカブトムシの幼虫も見せていただきました。冬に一か所に集められた落ち葉、そこはカブトムシの母の産卵場所になり、また、カブトムシの幼虫は落ち葉を食べて糞をし、土にたくさんの栄養をもたらします。

また、ハローウッズの森にはたくさんの生命の塔がありました。伐採された木は、森の遊歩道の整備や燃料、装飾品の材料として集められます。あるいは小さな生き物のすみかである生命の塔を作る用木材になりますが、生命の塔は木でできているため、一定の寿命があり、定期的な建て替えが必要になります。
森の中で歩きながら担当者の説明を聞いて、自然界の生き物のつながりをより明確に感じるとともに、生まれてくる生き物にはそれぞれの役割があることも理解することができました。

ハローウッズの森のトイレについてもお話を伺いました。ここでトイレに使われた流し水は、バクテリアが分解した水です。トイレの台の下には、糞尿の分解を主な役割とするバクテリアが土の中に生息していることも説明していただきました。

次に訪れたのは、水生生物研究エリアです。ここの水槽は、さまざまな生物で水生環境をシミュレートしています。よく観察したら、面白いことも発見しました。例えば、ハローウッズではドジョウも、ヒゲが6本、8本、10本と分かれているといいます。
森の観察が終わった後には、ハローウッズの木製キャラクター作りの体験に参加しました。創造力と手先の器用さで、みんなとてもきれいでかわいらしいキャラクターを作り上げました。

ハローウッズの実施する体験活動の事例

多様な生態系を創造する努力のもと、ハローウッズは子どもたちにとって有意義で興味深い体験活動を数多く企画してきました。例えば、朝の森を舞う「森のジップライン ムササビ」、「里山冒険ファミリーキャンプ」、特に「ガキ大将の森キャンプ30泊31日」が印象的でした。このキャンプに参加することで、子どもたちは日常の生活リズムから一時的に離れ、自然とつながった生活を体験し、自然・生き物・人間のつながりをより深く理解することになります。健康的な体を作るだけでなく、将来の成長の土台となる心の栄養補給にも役立つ、子どもたちにとっては本当に良い機会だと感じました。子どもたちは、自然が与えてくれる恵みを理解し、自然の美しさを目の当たりにすることで、自然を愛着し、自然の多様性を保護・保全、発展させようという意識を深く持つようになると思います。

ハローウッズの森を観察した後、ハローウッズの担当者から、25年の歩みと生物多様性の保全・育成に向けたハローウッズの取り組みについて紹介していただきました。また、多摩市立連光寺小学校の校長 關口先生からは、学校教育について、SDGsのESDの知識を生徒に伝えるためのカリキュラムについての講義を受けました。また、学校で行われているESDの実践例として、東京都の小学校において「未来に優しいエネルギー」、また北海道の小学校において「知床学」など紹介していただきました。参加者が教育関係者だったり、子育て中の方だったりということもあり、皆さんとても勉強になったようです。個人的には、先生のお話を聞いて、日本の教育に興味が、わきました。というのも、学生時代には、自然や環境を理解するための講義や実習に参加する機会があまりなかったからです。私にとって、このような経験は本当に重要で、早く参加する機会があればあるほど有意義なものになると思いました。

自然を愛着する者として、この有意義で実践的な研修に参加できたことに感謝しています。SDGsの実現に向けたハローウッズの生物多様性保全・開発活動から多くのことを学んだとともに、きれいな森を見学することができ、本当に楽しい経験ができました。

文責:グエン・ティ・タン・ホン(JAL財団インターン生)

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